平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

組織の急成長と、その後に潜む落とし穴

大阪なおみ選手の全仏オープン棄権が、話題になっていますね。

 

第一試合目に臨む前から、試合後のマスコミ向けインタビューには参加しない旨を公言し、勝ち抜いた試合後はコート上での勝利者インタビューに答えるのみ。

 

そこには異論もありましたが、棄権後にインタビューを回避した理由を「うつとの闘いがあった」事を発表した事で、事態は急転しました。

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これにはスポンサー企業を中心に ”支持” を表明する声が相次いでいますが、その理由を語るタイミングが ”棄権後” でなければならなかった事が ”問題の本質” ではないかと思いました。

 

もし、ゲームの前に全てを申し出たとして、話が平行線だったり『やっぱり会見しなきゃダメだよ』って言われちゃったら、モヤモヤした気持ちのままで一回戦に臨まなきゃいけませんもんね。

 

個人のメンタルって、見えない分だけ大切にする世の中になると良いなと思います。

 

 

さて、今日のお題の件ですが、僕も現在、様々な組織に所属している中で、色々と考えさせられる事がありました。

 

組織って、基本的には大きくすることを前提にしていますよね。

 

家族はパートナーと二人というパターンもありますが、それでも親族というくくりで見れば大きくなっています。

 

その組織が少しずつ成長していれば、適材適所に人材を配置しつつ組織を作っていけますが、急激に成長した場合、その ”役職を埋める” 事を目的に人材を配置してしまいがちになります。

 

そうなると、その役職を受ける人材は未成熟であるケースが多く、それを理解した組織の幹部は、誰でもその役職を ”こなせる” 様に、個人の能力に頼らなくても運営できる様にしようとします。

やり方としては

①とにかく報告を細かくさせる

②やらなければいけない事を事細かに決める

③目標設定の根拠を示さない

自己実現自己啓発をちらつかせる

です。

 

ここまでやらせれば、どれだけ無能な上司でも部下を管理監督できますよね。

 

これを社長⇒部長⇒課長⇒係長⇒主任⇒平 とやっていけば、それぞれが役割を果たした気になります。

 

しかし、それこそが ”落とし穴” だと僕は思います。

 

上司は、部下からの良い報告を聞いて「よしよし」となり、その実績はさっきの矢印の逆を辿って上まで上がります。

 

しかし、僕はその報告の90%以上は嘘だと思っています。

 

そして、年月を重ねた組織は「ある程度の嘘が含まれてる」事を含み始め、挙句の果てには「この報告の場合、4割程度で見ておけば大体あってる」なんて本末転倒な事を言い出します。

 

『真実は、相談の中に有る』というのが僕の考えで、『報告の中に、真実は無い』と思うべきだと考えます。

 

 

僕が、『〇〇に向けて、これを達成したいので先ずはこれを調べて下さい。』

 

という指示を受けたとした場合、僕の頭の中では『なんでこれを達成する為にこれを調べるの?』となります。

 

”何故、達成する必要があるのか” の説明が無いのでそうなるのですが、それを説明できる上司が育っていない。

 

 

組織に入っていると、僕にも役職の話が来ます。

 

でも、その時に僕が聞くのは、『役職が空いてるから僕に頼んでるの?』です。

 

僕はこれを ”穴埋め人事” と呼んでいて、基本的にその話は受けません。

 

 

急成長を遂げた組織は、『それ必要?』と言いたくなるような役職が沢山あります。

 

そして、その役職を埋める為の人事が行われます。

 

 

報告を細かく上げさせたり、行動を細かくチェックしたり、その目標を達成した先に何が得られるのか、その説明もできない組織はどっかで必ず行き詰ります。

 

納期と製品のクオリティを守りたいなら、部下の行動を縛ったり強制するのではなく、組織として掲げた目標に対して、どうやって達成していくのかを、部下と一緒になって話し合うべきでしょう。

 

自由な社風の会社に勤める社員程、年収が高いのはこの為ではないでしょうか?