二ヶ月に一回より早いペースで、アドバイザーのバイトをしてます。
中身は創業支援やビジネスコンテストに向けたブラッシュアップ担当です。
人が作ったモノに、色々言うのは簡単な事ですが、僕の役目は、その人が具体的に何で悩んでて、なぜ手が止まってるのかを引き出す事です。
『この前から全然進んで無いんですけど』
『ちょっとだけ付け加えたんですけど、あまり変化ありません』
『この資料を作ってる所で、手が止まってます』
と言うのが大半ですが、
中には、
『別に困ってる事はなく、ある程度出来てます』という人も参加してて、なかなか幅広い面子が揃ってます。
前回は、初めてのフルオンラインでの開催。
参加者もオンラインに慣れている様子で、背景や表示画面にも拘りを感じます。
しかし、その中でも気になるのが『顔を出さない』パターンです。
そもそも、リアル開催が前提のセミナーですが、オンラインになると突如として“仮想の自分”で勝負してきます。
こちらとしては、表情からも反応を伺いたい訳で、みのもんたさんみたいに、電話越しで匿名の相談に乗りたい訳ではありません。
『奥さん、それ別れた方が良いよ。』
なんて決め台詞を言いたい訳じゃなくて、さっきも書いた様に、“そもそも何で止まってるか分からない人”にも“あなたはここ止まってるよ”と伝える為に話を聞いているので、表情は必須ですね。
それでも、なんとか話を伺いますが、やはり問題の本質を見極めるのにはいつも苦労します。
問題の本質とは、ビジネスモデル自体の欠陥や課題という訳ではなく、ビジネスオーナーが何故困っているのかという部分です。
マネーの虎みたいに、“良いビジネスモデルかどうかを審査する”のでは無く、僕の仕事は“その人がやりたいビジネスモデルを一緒になってどう育てるか”にかかっています。
なので、内心では『これは、、ちょっと厳しいな。。』と思ったとしても、直接的にはそれを言わず、『事業継続には、ちゃんとした収入が継続して必要だけど、キャッシュポイントはどこで考えてるの?』という風に、ありがちな質問から詰めていきます。
大抵の場合は“自分がやりたい事”をビジネスモデルにしてるというパターンが殆どです。
だけど、事業として継続しようとするならば、“自分がやりたい事”でありながらも“困ってる人の課題解決”である必要があるのです。
その上で、困ってる人がお金を支払う仕組み、またはその人を支援したいと思う人がお金を払う仕組みが必要なんです。
最近の受講生の中にも、
『過去に母子家庭支援のNPOを設立しましたが、2年で閉鎖しました』という話がありました。
これは、“経営”を蔑ろにしている最たる例題です。
“母子家庭支援”となれば、“NPOが最適!”と考えるのが日本人のダメな部分だと感じています。
日本人に植え付けられた“支援”=“NPO”という、謎の方程式。
最近では、耳障りの良さも相まって“一般社団法人”が密かにブームですね。
僕も、この手の相談は頻繁に受けます。
『NPOと一般社団、どっちが良いと思いますか?』と。
答えは、
『本気でやりたいなら、合同会社か株式会社。そうじゃないならどっちでも良いんじゃない?まぁ、NPOは一般社団に比べてハードル高いけど。』
です。
『耳障りの良い法人格で、出来るだけ簡単に設立したい』
という質問だと捉えてしまうと、そんな答えになります。
何にしても、本気で問題解決しようと思えば、一朝一夕には絶対に出来ません。
であるならば、年単位で事業を継続する必要かがあり、その為には継続して収益を上げ続ける必要があるのです。
賛同してくれる仲間にも給料を払うべきなのに、中には『ボランティアを募集』する事を前提にしてる事業すらある事に驚きを覚えます。
“やらなければならない事”が本当にそうならば、絶対にどこからかお金は生まれます。
どうやってお金を生み出し、そこからどうやって利益を出して、最後はその利益をどうやって増やすのか。
その、“経営”という基本中の基本を
『自分は向いていない』
『人の上に立つ器じゃない』
『そういうつもりでやってない』
『数字とか苦手』といって、
『じゃ無くてもやって行きたい』と言い出します。
得意な事だけやって、そうじゃない事は避ける。
それじゃあ、上手く行きませんよね。
そういう所が、意外と大事なんです。というお話しです。