平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

就労支援事業ってセイフティーネットの役割もあります

就労支援事業所には、様々な問題を抱えた人達が来ます。

 

ウチは、作業内容の特徴として施設外就労が多いので、必然的に精神障害と知的障害の方が多くなりますが、発達障害統合失調症、引きこもり、アルコール依存症ギャンブル依存症など様々。

 

感情の起伏が激しかったり、自分の思いを言葉にするのが苦手だったり、自分の思い通りに作業が進まないとパニックを起こしたり。

誤解を恐れずに言うならば『社会では通用しない』と言われる方々です。

 

でも、だからこそ、就労支援の存在意義があると思っています。

 

一般就労では生産性を求められ、コミュニケーションスキルも求められます。

 

でも、彼らも働きやすい環境さえ整えば、力を発揮することができます。

でも、一般就労では会社がその環境を整えてくれる事はほぼありませんよね。

 

 

ウチでは基本的には『断らない』方針でやってますが、そんな利用者さんの中には暴力事件を起こしたことで警察沙汰となり、『通所お断り』をした人もいます。

 

また、警察沙汰とまでは行かなくても、利用者さん同士で無料メッセージアプリを使用しての脅迫や、人間関係の拗れから大喧嘩になって通所禁止になった方もいました。

 

では、その様に一度問題を起こした人を、今後とも”完全拒否”しても良いのでしょうか。

 

僕自身は、『一人の可能性を信じる』事をポリシーとしてますので、完全拒否は絶対にしません。

 

なので、暴力事件を起こそうが、警察沙汰になろうが、僕はその人の可能性は信じます。

 

ただ、それには条件が合って、そこまで問題になったのであれば、その問題の原因となった事と、本人が一度はしっかりと向き合ったかどうかが重要です。

 

依存症であれば入院し、お酒との向き合い方をしっかり学んだ上で、服薬を通じて自分をコントロールできるようになったかどうかなど、社会復帰に向けた本人の努力が欠かせないと思っています。

 

その様な努力が大前提ではありますが、そうやって社会復帰しようと頑張る人を、『過去がこうだから』と完全拒否するのは出来ませんし、僕は違うと思います。

 

『福祉事業者』というのは ”清廉潔白” で ”優しい人たちの集まり” みたいに決めつけてる人も居ますが、僕自身が清廉潔白でも無ければ特別優しい人間だとも思っていなくて、過去に犯した失敗から学んだ結果で今ここにいるんですよね。

 

そりゃ、色んな方々に迷惑かけましたよ。

 

人に言ってないだけで、皆色々あって当然です。

 

僕は、子供にも『暴力だけは絶対に許さない』と日頃から伝えていて、喧嘩をした時に手を挙げた子供は、即刻外に引きずり出しました。

『暴力を振るう人はウチには要らない』というのが方針で、手を挙げた本人にも言い分はあるでしょうが、先ずは暴力を振るったという事実だけで追い出します。

 

その位、僕は暴力には絶対反対なのですが、子供の頃からしっかりと感情のコントロールができる様にならないと、成長してからコントロールするのはとても難しくなります。

 

特に、感情のコントロールができない障害がある場合は尚更です。

 

でも、障害って無くなる事は無くても、ちゃんと付き合えば少しはコントロールできるんです。

そこに、薬の力を借りる事もあるでしょう。

 

人間は、生まれ育った環境がかなり重要だと思っています。

 

見た目が日本人でも、英語圏に生まれれば英語を話しますよね。

 

なので、『暴力は絶対に許さない』家庭で育てる事が重要だと思っています。

 

でも、そんな家庭で育てられなかった場合はどうなるのでしょうか。

 

そんな彼らでもサポートしていく。

 

最後の砦。そんな決意で臨んでいます。