『どうせ言っても変わらないし。』
『一生懸命働いても未来は明るくない。』
天才的とも言えるほど、『できない理由』を探せる人って周囲にいません?
僕が就労支援を始めた切っ掛けの一つに
『初めから決めつけんなよ』という思いが動機にありました。
就労継続支援の源流は昔の ”授産施設” にあります。
当時、障害のある子供を抱える保護者が集まり、『子供たちに社会活動の場を設けたい』という思いから『軽度な作業』を中心に内職系の作業から始めた経緯があります。
時代が進むにつれ、”悪法” と言われながらも第一歩として成立した自立支援法がスタートし、その反省を活かす形で現在の総合支援法となったのですが、今になって初めて ”就労” という分野ができたという経緯から見ても日本の障害者福祉政策はまだまだ遅れてると言わざるを得ません。
それは、どうしても障害者福祉に蔓延る根深い考え方が原因でして、サポートする側の人間が『これくらいしかできないから』と勝手に決めつけてる事が大きな問題だと感じています。
そんな決めつけを自ら打開した記事がありました。
記事にもある様に、当初は周囲の人たちからの ”猛反対” があったそうです。
それでも結婚にたどり着けた理由はただ一つで、『どうすればできるのか?』を周囲を巻き込んで行った事だと思います。
『絶対無理だ』『できやしない』『もしこうなったらどうするの?』
そんな言葉は僕が就労支援を立ち上げた時に、古参の同業他社の先輩経営者から嫌と言う程 ”ご助言” 頂きました。
僕は内心で『初めから決めつけんなよ』と思いつつ、『そうじゃないやり方で実績作ってやる』と心に決めました。
周囲の施設では
①利用者間の連絡先の交換禁止
②作業中の雑談禁止
③休みの日の利用者同士での外出禁止
④金銭や物品の貸し借り禁止
⑤恋愛禁止
など、他にも沢山の禁止事項を守る事を利用開始時に約束させるそうです。
それでもウチでは、基本的な禁止事項は設けていません。
なので過去には金銭や恋愛に関する問題も発生してます。
でも、これって一般社会でも起こりうるトラブルですよね?
そして、実際の所は禁止した所で裏でコソコソお金は借りるし、人を好きになる気持ちも簡単にはコントロールできませんよね?
じゃあ何故予め禁止するのか??
答えは簡単。
自分たちが楽したいから。
『禁止って言ったよね? 守れないなら退所して貰うから。』
これって問題の根本的な解決になります?
本人たちも何が悪かったか分かります?
『ルールを破ったから』というのは理解できるでしょう。
でも、何故そのルールがあって守らなければならなかったのか。
そして、そのルールを破る事で誰がどんな形で迷惑を被るのか。
本来、どの様な行動を取るべきだったのか。
これは実体験で学ぶしか無いんです。
『どうすればできるのか?』を考えずにルールで縛る。
こんなやり方を続けてたら、いつまで経っても障害者の方々の人権は奪われたままになってしまうという事を、深く考え直すべきだと思います。