平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

利用者さんの工賃が上がらない闇

厳しい言い方ですけど、有名無実にならない事を祈るばかりです。

news.yahoo.co.jp

 

宮城県で『障害者官民応援団』なる団体が発足したようですが、先ずは一歩動き出した事はとても素晴らしい事だと思います。

 

しかも、行政も含めて企業も参加しているところに熱を感じます。

 

その目的の一つは、17,000円となってる月額平均工賃を40,000円にまで引き上げることだそうですが、僕の中では正直なところ、『相当厳しいだろうな』という見立てです。

 

 

もちろん、工賃が上がらない理由として『企業や団体からの発注が少ない』というのはあると思います。

なので、今回の様に大々的に啓もうする事で、発注を促す事には繋がると思います。

 

 

でももう一つ、工賃を挙げるには絶対に欠かせない要素があるんです。

 

それを今から書きます。

 

 

SICのB型では、なぜ高工賃が実現できたのか

”脱福祉路線で儲ける思考”

ウチでは、安定通所が出来ている利用者さんの工賃が、月額50,000円を超える事もあります。

そんな風に、ガチで実績作ってるウチだからこそ実感してる ”闇” こそが、工賃が上がらない ”本当の理由” なんです。

 

その理由こそ、日本に蔓延(はびこ)る ”ザ福祉” という思考回路です。

 

『福祉事業者』って聞くと、どんなイメージ持ちますか?

 

クリーン

ボランティア

助成金

NPO

社会福祉法人

などなど。

 

 

 

何なら、 ”儲ける” という言葉に嫌悪感丸出しにする人だっています。

 

 

そこなんです。

 

そもそも、福祉事業所は ”儲ける” 事が下手なんです。

 

もっと言うと、 ”儲けては駄目” というイメージが根深く、思考回路はそこがスタートなんです。

 

勘違いして欲しくないのは、ガッポリ儲けて私腹を肥やせと言ってるんじゃありませんからね。

 

 

ハッキリ言って、これだから工賃上がらないんですよ。

 

ここが議論されてないから、意味が無いんです。

 

 

だって、儲かれないのに工賃上がる訳ないですよね。

 

 

ウチが月額50,000円の工賃を払える理由。

 

それは、シンプルに ”脱福祉路線” でやってるからです。

 

 

記事には、

「官民応援団」の参加団体や企業は工賃向上に向け、障害者が働く福祉的就労施設からの物品の購入や、草取りや清掃、印刷といった業務の発注などに取り組んでいくことにしています。

とありますが、すみません。

 

これ、無理なんですよ。

 

企業が発注しても無理なんです。

 

なぜかと言うと、仕事出してもやってくれるか分かりませんから。

 

 

”就労支援”という事業所が抱える闇

物品購入は分かりやすいですよね。

パンを焼いたりお弁当作ったりすれば、それなりに売れます。

 

 

でも、特に ”草取りや清掃” に関しては、ちょっとそう簡単では無いんです。

 

 

なぜかと言うと、

 

これはね、特に需要がある夏場なんか、誰もやりたがりません。

 

 

誰が嫌がるかって?

 

 

これこそが ”闇” の本丸なんですけど、嫌がるのは就労支援事業所で雇用されてる指導員なんです。

 

 

本当に口が悪くてすみませんけど、本心で言えば、エアコンが効いた室内で黙々と内職作業してる利用者さんのサポートをしてる方が、よっぽど楽じゃないですか。

 

 

ウチは、それを職員さんがやってくれてるから、高い工賃が支払えてるんです。

 

 

応援企業さんは、作業を振ってくれるでしょう。

 

でもね、21の団体企業で宮城県の全てのB型の平均工賃を、40,000円以上に出来るほどの仕事量が有るとは思えません。

 

 

じゃあ、ウチはどこから仕事を取って来てるのか?

 

ウチは広告も出しますし、チラシも撒きますし、”営業活動” を結構やってます。

 

そして何より、クオリティです。

 

これが担保されて無いと、継続して仕事を貰えませんよね。

 

 

これって、 どこの企業でも当たり前の事ですけど、要は”ちゃんと儲かろう” っていう意識がそもそも無いと、絶対に出来ないんですよ。

 

”ちゃんと儲かって、しっかり還元する” 

 

この意識でやらない限り、有名無実化するのは目に見えてます。

 

 

先ずは、意識から変えないと。