平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

最近特に感じるのが、法律などの制度設計に携わってみたいなーという事です。

 

特に医療と福祉の分野に関しては、現場サイドの現実と法律との矛盾が凄いのですが、そこをどれだけ指摘しても『法律ではそう決められているので』という一言で突き返されてしまいます。

 

我々、事業所の収入源の柱は給付金です。

 

その給付金の単価は事業所毎に異なる様になっていて、我々就労支援の場合は、利用者さんへ支給する月額工賃の平均が高ければ高いほど、給付単価は上がる仕組みになっています。

 

 

これ自体は凄く賛成で、事業所ごとに『いかにして高い工賃を支払うか』にベクトルを向かわせやすくなると思います。

 

 

しかし問題は、その基準となる月額工賃が ”平均” である点にあります。

 

 

そもそもですけど、国がどれだけ『時給工賃を上げろ!!』と言った所で、発注する側がそれだけの単価を支払ってくれないと、時給は上がりません。

 

そこで、SICでは独自に取引先を開拓する事で、平均時給単価400円を獲得しています。

 

しかし、全員が全員、この単価の高い仕事ができる訳も無く、時間当たり200円程度の生産性となることだってザラにあるにも関わらず、今の話で言うと、国はそこにも ”高額時給を支給しろ” と、無理難題を押し付けてるに過ぎません。

 

現状で言うと、15人中8人に月額工賃45,000円を支給していたとしても、残り7人の月額工賃が12,000円だった場合、全体の平均工賃は29,600円となり、30,000円に届きません。

 

実は、この30,000円に届くか届かないかによって、事業所収入には雲泥の差が出ます。

 

全国平均の月額平均が16,000円と言われる今にあって、平均29,000円を超えてるだけでもそこそこだと思うのですが、1円でも足りないと単価を下げられるという。。

 

 

医療・福祉の業界って『半官半民』って言われてますよね。

 

これは、国が定めた指定基準を満たした上で、都道府県からの許認可がなければ営業できないところに起源があるのですが、であるならば、職員の給料は国や自治体が直接支払うのが正しいやり方では?と思います。

事業所が雇える職員の数は、定員によって法律で定めれば良い訳で、それ以上雇いたい場合は事業所の体力で雇えば良いだけです。

 

 

それにプラスαして、利用者さんの人数が増えればそれだけガソリン代や車の維持費などが掛かる訳なので、その分を介護給付金として支給すれば良いだけの事です。

 

事業所の裁量で使えるお金を減らしてしまえば、医療・福祉業界で働く人々の格差は是正されます。

そうすると、給料面は一律揃うので、色んな意味で人気のない事業所には人が集まらずに淘汰されるでしょう。

 

そして、その仕組みにはこんな利点も。

利用者さんに人気があり、一日の利用人数が増えれば職員を増やす必要が出てきますが、ある一定の人数に達しなければ国負担で給料を払ってくれる職員を増やせないので、自腹で雇用する必要があります。

しかし、そこは事業収入も安定しているので、新規雇用は容易でしょう。

その際には国費は支払われずに雇用だけが増えるので、税収アップに繋がります。

 

 

法律って矛盾が多いですよね。

 

でも、何故矛盾と感じるのか。

 

それは、『現実と乖離しているから』に他なりません。

 

 

過去にいた利用者さんの中で、通所日数を減らして収入調整をしている人が居ました。

 

その方はめちゃくちゃ健康です。

 

何故日数を減らして収入を減らしてるかと言うと、

生活保護が減らされるから』です。

 

 

すっごいむじゅーーーーん。

 

 

『働いても収入は増えないから、減らされない様に。』

 

こんな思考に向かわせてる制度って、本当に正しいのでしょうか??

 

 

ここに切り込んでくれる政治家もいませんし、何だかなーと言った感じです。

 

民間の意見、国民の意見を本当の意味で聞いてくれる政治家っていないのかなー