緊急事態宣言の延長が現実味を帯びてきました。
それもあってか ”家飲みアイテム” が好調な様ですが、そんな中でサッポロビールとファミリーマートが共同開発したビールが話題に。
本来は発売までに何重にもチェックされてるはずのラベルですが、『LAGER』のスペルの『E』が『A』になっていたという理由で、販売が中止されていました。
その後は記事にもあった様で、様々な意見を踏まえて工夫をした結果、今日から発売となった様ですが、『ラベルを間違えただけで販売中止になる』という現実に、今の日本が抱える問題点が見える気がします。
”保護” という呪いのキーワード
皆さんは、 ”保護” と聞くと何を連想しますか?
保護者、生活保護、動物保護、消費者保護、自然保護、環境保護、著作権保護など、基本的にはある事柄から対象となる人やモノを守る事を、法律で義務付けたり努力義務を付帯する際に用いられます。
しかし、なんか最近のコロナ禍にあっては、この ”保護” が人々の分断を生んでる気がします。
ちょっと余談になりますが、先日も与党の国会議員が夜の銀座ではしご酒していた事が問題視され、公明党の議員一人が議員辞職、自民党の三人が離党届を出しました。
(当初、自民党側は1人のベテラン議員が対象と言っていましたが、後に他の二人の議員も同席していた事を公表しました。ベテラン議員は若手2人を庇っての事と説明していますが、恐らくはマスコミに3人で居る現場を押さえられていて、『記事にするぞ』と個別に揺すられた事で公表したのではと勘ぐってます。。)
この事の問題の本質ってどこにあるのでしょうか?
感染拡大を助長する軽率な行動を取ったこと?
皆が自粛している時に、飲み歩いてはしご酒したこと?
政府が示している方針に、与党の国会議員が従っていなかったこと?
それとも、銀座の高級クラブやキャバクラで国民の税金を使って遊んだこと?
今の報道を見ていると、何が問題の本質だったのかが良く伝わりません。
この件を報道するニュースを見ても『街の人に聞いてみました』って、”聞く側”の記者も”聞かれる側”の街の人も、全然自粛してないよね、と。
記者は ”ジャーナリズム” という権利を盾にすれば、(マスクなどの感染防止対策をしていれば)緊急事態宣言に配慮しなくても良いのでしょうか?
日本は、個人の尊厳や権利がとても重要視される素晴らしい国です。
でも、その権利が優先されるあまり、国は個人の行動に強い制限を掛ける事ができません。
先述したビールの件も、”消費者保護” という観点から、一度は販売中止という判断になった事は言うまでもありません。
これは、消費者保護を主な業務とする消費者庁の管轄ですが、その仕事の一つとして、消費者がその商品の効果効能を誤認する様な表記が含まれていないかをチェックするというものがありますが、これの目的は勿論、消費者 ”保護” ですが、日本という国は色んな権利が保護され過ぎていると感じる事も多々あります。
もちろん、護られるべきものはしっかり護らないといけません。
生活保護の不正受給者が出ようと、パチンコ屋に入り浸ろうと、本当に必要とする方は必ずいます。
一部の人が悪質な利用をすることで、全てが ”悪” の様な風潮を作り上げる傾向がありますが、それは間違いだと思います。
でも、それも、個人の”権利”を”変に”大事にし過ぎる国民性というか、マスコミが作り上げた風潮な様な気がしてなりません。
前にも書きましたが、芸能人の不倫だって個人と家庭の問題であって、視聴者にそれを報道する理由って何なんでしょうか?
そんな情報はスポンサー企業にこっそりリークすれば良いだけの話なのに、個人を叩く事で数字を取るという、プライバシー保護という観点は全く無視で、報道の自由という権利だけが独り歩きしている気がします。
今回の自民党議員3名の離党についてですが、記者が
『本当は、他にも二人いらっしゃいましたよねー? ほら(他の議員の写真)。 これが明日の週刊誌に掲載されれば大変な事になるのでは? でも、もしここで自ら申し出たとなれば、傷口は最小限に、、、、。 どうされます? この記事、買いません?』
と、こんな感じだとすれば良いなーと。
これは、脅しではなく”取引”だと思います。
この飲み会自体を記者が設えて仕組んだものであれば脅しですが、今回はただ単に議員の脇が甘かっただけです。
国民の模範となるべき人が、そうしなかった。
それは、次回の選挙で国民が正しい判断を持って投票する上で、議員としての資質を見極めるという意味での報道は大切だと思います。
でも、何か最近は ”槍玉に挙げる” 事が ”正義” みたいな。
自粛警察もその流れだと思います。
コロナの本当の怖さは、『人の心の分断』と仰った方がいましたが、本当にそうだと思います。
『 ”E”じゃなくても”A”じゃないか。』
記事ではその言葉が好意的に受け止められていましたが、僕もそのくらいの気持ちで良いんじゃないかなーと思います。