平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

ジワジワ来てる新たなビジネス

 

 

前回と前々回では、アウトソーシングについて書いてみました。

 

そこで今回は、

 

小さな飲食店さんが売り上げアップに成功した実例をご紹介します。

 

 

例)飲食店の場合(売り上げアップ)

 

別府市内で中華料理店を営むAさん。

 

大学進学を機に別府の大学に進学し、卒業後に日本で念願だった店を構えました。

 

創業から1年が過ぎ、顧客も定着してきましたが「順調に右肩上がり」という訳ではなく、売上は既に横ばいに。

 

味も申し分なく、リピート+ご新規さんが常に席を埋めてる状態ですが、横ばいです。

 

それは何故でしょうか?

 

 

 

そうです。客席数には限りがあるのです。

 

しかし、飲食店となると得意のアウトソーシングの提案も“具材を切る”

くらいしか思いつきません。。。(これじゃバイトの紹介。。)

 

 

そこで、ランチタイムが終わり、ひと段落しているAさんに聞いてみました。

 

僕「Aさん、毎日忙しそうだねー」

 

Aさん「お陰様で忙しいんだけど、忙しいのはランチタイムの一瞬だけ。13時半を過ぎるとパッタリなんですよ。。。」

 

僕「なるほど。。じゃ、ランチタイムの客層は?」

 

A「そうですねー、客席数15席に対してサラリーマン等の男性客が7割、後は定年退職した世代のご夫婦か、ご婦人グループですねー。」

 

僕「なるほどー。って事は20代~50代位の女性客はほとんどいない?」

 

A「そういわれると居ませんねー。特に若い女性客が(笑)」

 

という事で、夕方も17時半~22時まで営業していますが、先ずはランチタイムの営業を強化する事にしました。

 

その理由として、夜はファミリーやカップル、学生さんも含めてある程度の女性客がいるそうなので、昼間は眠っている女性客を起こしてみることにしました。

 

 

現状把握という事で、Aさんにヒアリングをしました。

 

僕「客席は15だよね?ランチタイムの回転数は?」

 

A「4~5はしてると思います。」

 

僕「そんなに?」

 

A「ちょっと盛ったかもしれません(笑)」

 

僕「まぁいいや。(笑)客単価は?」

 

A「ランチタイム650円が売れ筋ですけど、ご年配のご夫婦に人気なのは1,050円の特別ランチで、多い時は10食程度は出ますねー。」

 

僕「なるほど。という事は、、

 

15席×4.5回転=67.5人

1,050円×7食=7,350円(大体の平均らしいです)

67.5-7=60.5食

60.5食×650円=39,325円

ここから、食材・水道光熱費・家賃・バイトさんの給料等でザックリ70%の27,527円を引くと、

利益=11,798円

 

僕「こんな感じ?」

 

A「アレ?やっぱりちょっと盛ってました(笑)でも大体そんな感じたと思います(笑)」

 

僕「まぁいいや(笑)、取り敢えずこれを一つの基準にして、先ずは20%の売り上げアップから目指してみようか!」

 

A「ええーー!?もう、客席数も増やせないのにどうしたら良いんですか!?」

 

僕「お客さんがいる場所を客席にするのが良いから宅配やるしかないねー」

 

A「なるほどー。でも、もうバイト雇う余裕無いっすよ??」

 

僕「だよね。だからアウトソーシングしようよ。」

 

A「アウトソーシング??誰がどうやっていくらで配達してくれるんですか?」

 

僕「僕の知り合いがバイクで一件400円で配達してくれる」

 

A「う、、。聞いた事を全部答えてる。。でも、400円も経費が嵩むと、、、」

 

僕「だよね。だから、何円以上に限れば良いんだよ。そうだなー、1,200円以上は?」

 

A「ザックリですねー(笑)で、根拠は??」

 

僕「まだない。 ただ、ランチは650円で提供してるから、2人以上で頼みやすい設定が良いと思うんだよねー。 それに、特別ランチ1,050円に何か単品一つ追加で頼んで貰えたら1,200円は超えるでしょ?そしたら、一人暮らしの高齢者なんかは夜のおかずに麻婆豆腐650円の単品も頼んどこうってなるんじゃないかな??そうすれば、ついで買いで単価も上がるよ??」

 

A「なるほどっすねーー!!」

 

って事で、1件400円で配達を知人にお願いしました。

 

近くにある大手FCのファミレスは宅配やってないので競合なし。

 

開始から1週間で注文20件。一日平均3.3件。最初にしては悪くない数字です。

 

そして、開始から1か月が過ぎた頃、もう一度ヒアリングに行くと、一日平均8件程度と倍以上の注文数になっていました。

 

そこで再計算

 

1件の注文最低額が1,200円に設定していますが、

一軒当たりの平均客単価は

ランチ650円×2食+600円(単品)=1,900円

となりました。

どうやら、お客様は同僚や友達と単品をシェアする作戦に出た様です。

平均が1,900円となったのも、独居の高齢者や650円×3食という注文が多いからでしょう。

 

1,900円×8件=15,200円 配達料400×8件=3,200円

15,200円(売上)-10,640円(原価)-3,200円(配達料)=1,360円

 

配達前の売り上げ 39,325円

配達での売り上げ 15,200円

配達導入後の売り上げは、目標を大きく上回る38%アップを達成しました。

 

利益率こそ外注費で下がりはしますが、客単価が上がったことと

ディナータイムへの誘客にも貢献する事になったのが副産物でしょうか。

 

昼のランチが美味しかったから、今度は彼氏彼女と夜行こうと。

 

飲食店さんからすれば、注文が来るか分からない状況でバイト君を雇っておくのはリスクですよね。

 

これなら注文が入った時だけお願いすれば良いので、実質的にはノーリスク。

 

知人も、ランチタイムのみという事で、時間も読めて良いそうです。

 

1日 400円×8件=3,200円

月 3,200円×25日=80,000円

 

悪くないバイトです。

 

僕がやろっかな。。