前回のブログで
という記事を書きましたが、そのやり方についてもう少し具体的に踏み込んでみます。
アウトソーシングで時間効率を高めて、その分本業に注力すれば売上・利益率共にアップも実現可能であることは、何となくご理解いただけたかと思います。
では、今日はアウトソーシングする業務をどうやってみつけるか?
について書いてみたいと思います。
実はこれ、結構骨が折れる作業なんですよ。
業務を炙り出しを行うためには、業務を的確に把握する必要があるため、各業種や会社ごとに作成しないと中途半端になる為です。
そこで、応用的に使うのがどこの会社にでもある “顧客管理シート” です。
大抵、この管理シートには顧客の個人情報や依頼内容、依頼日、備考等の特記事項欄があると思います。
これを、業務改善の為のシートとして活用した例をご紹介します。
以前、私がお邪魔した企業さんは、新車・中古車販売を手掛けている会社で、個人・法人含めると400件程の顧客データをお持ちでした。
私がお邪魔した時も、車検の予約がびっしりでそれと並行して、飛び込みの修理依頼をさばくという感じです。
車検は、車屋さんにとっては最重要に位置するストックビジネス。
車も大破した状態で持ち込まれる事も少なく、主要個所の点検整備を行い、後は気になる個所のみ修理するので作業の時間も短く、正にドル箱です。
そしてここで登場するのが顧客管理シートです。
顧客の個人情報プラス車輌の修理歴が記載されており、そこに今回の修理箇所が追加されるというもので、最低限必要な項目は全て書かれてありますし、業務を行う上では何の問題もなさそうです。
それもその筈、このシートは何年も掛けて実施と検証を繰り返し、オリジナルで磨き上げたものだからです。
しかし、業務効率の改善を一切考慮せずに作り上げている為、その役割は果たしてくれません。
そこで、作業予定欄(今回修理する箇所)を書く欄に、作業に関わる予定所要時間と実際の作業時間を書いてもらう事にしました。
社長や整備士の長年の勘を頼りに、バッテリー交換なら〇〇分、タイヤ交換なら〇〇分といった具合にです。
その結果は、当然といえば当然なのですが、皆さんほぼ同じだったのです。
それもその筈。
我々も、例えばパンク修理する際に、「大体何分くらい掛かりますか?」って聞きますよね?
なので、車屋さんは予め答えを準備してるんです。
後は、込み具合をみて時間を足すだけです。
しかしここには落とし穴が。。。
実は、勘を頼りというよりは、「タイヤ交換には〇〇分掛かる」という刷り込みがあったのです。
これには、所謂職人さんならではの慣習が関与していました。
例えば、新人の頃にタイヤ交換を任されたとします。
慣れない設備を使いこなすのに時間が掛かってしまい40分を費やしました。
すると先輩から
「おら新人!!タイヤ交換に一体何分掛けてんだ!!そんなもん30分でやれ!!」と言われます。
すると新人くん、
「へ、へい!!頑張りやす!!(汗)」
と10分の短縮に向けて全力で取り組みます。
しかし、月日は流れ新人君も機材にも慣れ、道具の置き場所も全て把握。
タイヤ交換に40分掛けてた自分を遠目で懐かしむ感じです。
しかし、彼はどんなに慣れても30分は切りません。
しっかりきっちり30分掛けてタイヤ交換を行います。
正にこれが落とし穴。
作業開始から30分を逆算して作業してしまっているのです。
何なら、タイヤ交換に30分掛ける事を意識している状態です。
これでは効率は絶対に上がりません。
この状況を打開する為には、最初はとても面倒に思えますが、
業務を詳細に洗い出す必要があるのです。
電話予約を頂いてから、お客様の手元に車が戻るまでの工程をできるだけ細かく洗い出します。
車輌は持込なのか引き取りなのか、
台車は要か不要か、
年式から予想される修理はどこがあるのか、
それに対する所要時間は何時間程度か、
車検場で要する時間と必要書類を作成・提出するのに何分掛かるか等。
ここではできるだけ詳細に洗い出す必要があります。
しかし、全ての車でする必要はありません。
新車の初車検、10年選手、小型車、普通車、大型車、ハイブリッド車など、過去に特徴があった数台をピックアップすれば十分です。
そして、ここからが重要で、
前回の記事でも書きましたが、
この項目の中でアウトソーシングできる部分はないのか??の洗い出しです。
特に “書類作成” と “移動時間” という項目には注目して頂きたいと思います。
誰でもできる事を社内でやっていませんか?
予め、これだけ時間が掛かると決めつけていませんか?
中には20分でタイヤ交換をやっちゃう整備士だっているかも知れません。
そのコツを共有することは、ある意味会社の財産となります。
そして、その整備士さんに仕事をしてもらう為には、手を動かして貰わないといけません。
どの部分をアウトソーシングできるか、効率を上げる為に、技術者の得手不得手を会社として心得てるかが重要です。
売上を上げるには、直接業務の量を増やすのが最善です。
毎朝の朝礼で支店長が檄を飛ばしても、直ぐに生産性はあがりません。
檄を飛ばしたいのであれば、飲み二ケーションの場で十分です。
(飛ばし過ぎて参加者が減らない様に)