平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

アウトプットが大事です

年に数回程度ですが、創業・起業セミナーの講師やアドバイザーという立場で創業を計画している方へのアドバイスをさせて頂く事があるのですが、受講生のほとんど全員がが抱える課題が一つだけあります。

 

それが

 

『何から手を付けて良いか分からない』

です。

 

これには、『色々やりたい事があるけど、どれにすれば良いか分からない』という事も含まれるのですが、やりたい事や、やらなきゃいけない事が色々と漠然とし過ぎてると思います。

 

そんな時は、頭の中を整理する為にも必ずオススメするのが紙に書き出す事です。

 

白紙の紙に「とりあえず書いてみそ」って言ってもなかなか筆が進まないので、専用のワークシートを渡してそれに書いて貰うようにしています。

 

その項目は

①事業タイトル

②事業概要

③着想の背景

④現状と課題

⑤収支予測

⑥資金調達及びその方法

です。

慣れない方にとってはこれでも書きづらく感じてしまいますが、何故書きづらいかというと、『一番上の項目から書こうとするから』なんです。

 

子供の頃から、学校のテストでも『分かるところから埋めて行きましょう』と言われ続けたはずなのに、大人になるとどうも忘れてしまう様です。

 

その後、分かる部分から書き進めたとしても次に躓くのが『資金計画』の部分。

皆さん、お金の事になると急にしぼんでしまいます笑

 

『別に儲けたくてする訳じゃなくて~』

『お金は後からついてくると思ってて~』

『とりあえずは自己資金で何とかしようと思ってて~』

なんてことを平気で仰います。

 

誰も億万長者になりましょうなんて言ってませんし、お店を開けば売り上げが自然と上がる訳でもありません。

それに自己資金がいくらあるかは存じませんが、何千万円単位で無くなっても痛くないお金をお持ちで無い場合は融資のご検討をお勧めして差し上げます。

 

やりたい事をやり続ける為には継続してお金がいります。

 

なのに、何故お金の話になると急にしぼんでしまうのでしょうか。

 

2店舗目を1店舗目と全く同じスケールで、全く同じ資金計画でやるというならまだしも、初めての創業ではいつどこに予想外のお金が掛かるか分かりません。

 

基本的に計算が甘くなりがちなのが『税金』『集客』です。

 

儲けがでればその額に応じて税金がかかります。

 

そして、売り上げを計算する為に絶対欠かせない根拠が集客なのですが、実際にやってみないと分かりません。 なのに、絶対に利益が出る集客数や回転率、単価を基に計算するケースが多々見受けられます。

 

Q『1日に何人の集客が必要ですか?』

A『15人~20人くらい?』

Q『客単価はいくらですか?』

A『800円~1,200円くらい』

Q『原価は何%ですか?』

A『大体28%~30%くらい』

Q『家賃は?』

A『65,000円。』

『計画の段階で、もう既に潰れてますよ。』

 

儲けなくて良い。お金は後から付いてくる。自己資金で何とかする。

 

そう言ってる方の事業計画の一例です。

 

そもそもですが、『~くらい』や『○○~○○』と言ってる段階で計画として成立していないと考えた方が良いでしょう。

 

厳しい客数、厳しい客単価、厳しい売上、思いもよらぬ経費。

 

これを紙に落として可視化する事がとても重要で、抜けが無いかをとことん見る必要があるのです。

 

そうやって『○○くらい』と頭の中でザックリ考えている事をアウトプットし、明確にすることから計画は固まっていきます。

 

これって実は、先代から引き継いだ二代目さんにも言える事なんです。

 

先代さんが築いた基盤の上には、《売上》《仕入れ原価》《利益》が確定されていて、要するに入るところと出るところが予め決まっています。

ただ、ここで改めて会社の状況をアウトプットして俯瞰的に会社の状況を見るという行為をしないと、ゆくゆくは大変な事態に陥る事になるのです。

 

それは、『取引先の代替わりや仕入れ原価の高騰がいつかはやってくる』というリスクです。

 

自分の会社のお金がどこからどのくらいの規模で出たり入ったりしているのかを見ていないと、大変な事になるという事です。

 

実際のところ、考えても考えても見えない部分は沢山あります。

 

でも、見ようとしなければ糸の先は見えません。

 

可視化し、俯瞰的に見て、詳細を分析する。

 

これは起業したい人も会社を引き継いだ人も必要な作業には間違いないと思います。