平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

SIC設立から今日で2周年を迎えました

2018年2月15日。

 

この日が登記を行った設立記念日。

 

司法書士に頼むとお金が掛かるので登記申請書類を自分で作成し、別府市に事前に申請していた登録免許税減免の書類と免許税の3万円を携えて大分市の法務局へ。

 

この時、僕個人の全財産である60万円(少ないとか言わないの)を資本金としてSICを設立しました。

 

正直、夢とか希望とかより不安の方が大きい船出でした。

 

何せ、就労支援事業をしようとは決めていましたが、この分野には全くのド素人でしたし知り合いも居ませんでした。

 

正にゼロからのスタート。

 

以前の経験から設立する手順や準備は知っていました。

 

そして、ゼロから年商1億円を突破するまでの過程も経験しました。

 

 

しかし、今回ばかりはその経験もどこまで生かせるのかは未知数。

 

とにかく設立後はトライアンドエラーを繰り返すしか精度を高める方法がありません。

 

 

決して順風満帆ではなかったこの二年。

『もう駄目かも知れない。』そう思ったのは一度や二度ではありません。

 

 

特に忘れられないのが昨年の5月。

 

20日の支払い期限も残す所5日となったところで、完全に資金不足に陥りました。

 

後、5日でデフォルト。。

 

 

そうなんです。事実上の倒産が後5日に迫るところまで追い詰められたのです。

 

もうこの時ばかりは本当に駄目だと思いました。

 

 

『もう駄目やん。。万策尽きた。。』

 

 

声を振り絞る様に、玄関まで見送りに来てくれた妻にそうつぶやいてしまいました。

 

ドア越しに聞こえる登校前の子供たちの賑やかな声に胸が締め付けられます。

 

 

すると妻がこう言いました。

 

『根拠は無いけど、あなたなら絶対大丈夫。何とかなるよ。』

 

 

本当に救われました。

 

 

僕は子供たちにもう一度『行ってきます!』と伝えると、何故か元気が湧いてきたのを鮮明に覚えてます。

 

 

いつも通りの時刻に会社に到着すると、当時はまだ少なかった利用者さんを万全の体制でお迎えするべく準備を進めます。

 

何も知らない従業員さんもいつも通りです。

 

 

業務を従業員さんに任せて僕は金策に走ります(実際は走ってません)。

 

 

すると、以前融資をお願いしていたメインバンクの担当から一本の電話が。

 

実は、今回の資金ショートは前月から予測できていたので融資の相談をしていたのですが、担当者から

『社長、申し上げにくいのですが、貸さぬも支援という言葉もあるんです。。』

と、融資をお断りされていたのです。

 

その上でのこのタイミングでの電話。。

『まさかの貸しはがし!?』と内心焦りました。

 

 

恐る恐る受話器を取り話を聞いてみると、担当者の声が何だかいつもより弾んでます。

(ウチの担当者さん、電話越しでも分かり易いんです)

 

『こっちは資金繰りに奔走してるのに何でそんなに楽しそうなんだよ!!』とは声に出せませんが、心の中で叫びました。

 

が、少しだけ雑談を挟んだのち、担当者が切り出した話の内容を聞いて本当に驚きました。

 

 

その内容とは、

創業融資を一年間に渡って滞納なく返済した事で、新たな融資枠が出来た

と言うのです!!

 

 

その名も、

 

♪トゥットゥルー

『当座貸し越し~』

 

 

なかなか耳慣れない融資枠ですが、これこそドラえもんでも出せやしないんじゃないかと思うほど使い勝手の良い物でして、この枠専用の通帳を銀行に持っていき、出金伝票をペロッと書くだけでお金を貸して貰えるという優れものなんです。

 

しかもその枠は驚異の300万円。

 

もう資金繰りに奔走する事もなければ、バイトを探す必要も無くなります。

 

この後、見事に脱毛症になるのですが、資金繰りに対する不安が無くなった事で治癒が早まったとも思います。

 

早速妻に電話して、『こんな奇跡みたいな出来事ってある!?』と言ったところ、

いつもの調子で『あるんだね~、こんなこと(笑)』と。

 

さすがです。

 

妻だけは全てを知っていたかの様な対応に、ちょっとビビりました。

 

そんなこんなで迎えた2周年。

 

とても感慨深いものがあります。

 

全くのゼロから1円の売り上げを作る難しさを肌身で強く実感しましたし、代えがたい経験になりました。

 

事業は計画通りに行かない事の方が多いですが、その分、思いがけず良い方向に転ぶこともあります。

 

なので、将来的に起業を考えている方がいたら、一喜一憂しないメンタルを備えておくことをお勧めします。

 

何よりこれまで支えて下さった妻と、お取引のある企業様、そして、気晴らしに誘ってくれた素晴らしい友に心から感謝しています。

まだまだ、成長の歩みを止める気は毛根、、いや、毛頭ありませんので、引き続きお付き合いをよろしくお願いいたします。