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起業するためには、何から始めたら良いの?
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知っておきたい『起業前、起業後のお金の事』
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社長って楽しい?
- (おわりに)
いつもは面倒くさくてちゃんとしたテーマとか掲げていませんが、今回ばかりは中身を整理しながら書かないと読んで頂く方にとっては非常に読み辛くなりますので、分けて書いてみたいと思います。
さて、今日はなぜ ”起業” をテーマにしたかと言うと、先週末の高校生向け起業セミナーにはメンターとして参加させて頂き、今週は大分県ビジネスプラングランプリへエントリーする方々に向けたセミナーで講師をさせて頂いたのですが、7年~8年携わらせて頂く中でもこの1~2年は特に起業を志される方が増えたなーという印象を受けましたので、今日はこのテーマに。
そして、参加人数もさることながら、質問で積極的に手を挙げて下さる方が増えているんです。
なので、最近は僕が一方的に講義するというよりは、時間の半分近くを質問タイムに充てる様にしています。
そこで、今回は特に多かった
①そもそも、起業ってどうするの?
②とにかく、お金の事が不安なんですけど
③社長って何が大変?社長って、楽しいの?
という疑問に対して、僕なりに回答していきたいと思います。
起業する為には、先ず何をしたら良いの?
一番多い質問が、『先ず何をしたら良いのか分からない』というものですが、僕としてはこのセミナーに参加されてる事自体が、既に起業への第一歩なんです。
そして、恐らくどんなセミナーでも参加すれば何かしらの資料が配布されるはずですが、先ずは全ての資料に目を通して貰いたいんです。
僕は、起業を志した時点で『不要な情報は無い』という事を前提にしていました。
しかし、もちろんですが全てが必要なはずがありません。
ここで重要なのが、沢山の情報の中から、自分にとって必要な情報だけを取捨選択する力を身に着けることなんです。
起業し、個人事業主だったり法人代表になると、常に莫大な情報の中から選択を繰り返さなければいけませんからね。
そして、絶対にやって欲しい事が
①事業計画書
②資金計画書
③やる事、買うものリスト
の作成です。
これは絶対やった方が良いです。
むしろ、絶対にやらなきゃダメです。
これが出来ないなら、起業は諦めた方が良い。そう思うくらい大切です。
結局、この3つを作る上で最も大切なのが、『正確な情報を収集する能力』です。
やっぱりコレなんですよね。
『起業しよう!』と思い立った時も、市場のニーズや類似するビジネスモデルについて、少なからず調べたはずです。
その情報がどれだけ正確なものなのか、その正確な情報をどれだけ集められているのかに掛かっているんです。
ですから、『起業するために、先ずは何をしたら良いの?』と聞かれれば、
『先ずは正確な情報とデータを集めましょう』と伝えます。
そして、次は計画書とリストの作成です。
頭の中身をアウトプットする練習にもなって良いので、プランがある方は是非やってみてください。
知っておきたい『起業前、起業後のお金の事』
起業に際して、やっぱり気になるのが ”お金” の事ですよね。
『いくらあれば良いのか?』という答えが無い以上、難しい問題です。
法人格を取得するには、登録免許税がそれぞれに掛かりますし、個人事業主でも税務署への届け出が必要で、自分でやらずに専門家に依頼する場合等は、更になんやかんやとお金が必要です。
因みにですけど、僕の場合は
資本金 600,000円(当時の僕の個人貯金です笑)
登録免許税 30,000円(金融機関による創業支援を受けた為、30,000円の減免措置が受けられました)
法人登記費用 0円(資料作成から法務局への届け出まで自分でやりました)
で、合同会社を設立しました。
その後、就労支援の指定申請を行う為に行政書士さんにお願いしましたが、前の会社からのお付き合いがあった為、『ご祝儀』という事で無料にして貰えたのは有難い誤算でした。
そして、自宅を本社登記していましたが、就労支援を行うには事業所を別で借りないといけませんから、賃貸物件の契約などが必要です。
この時点で、僕は『創業融資制度』を活用して、融資を受けることにしました。
これは、先程書いた金融機関に事業計画書や資金計画書を提出し、日本政策金融公庫さんと共同で創業融資をしてくれるという制度です。
指定申請には様々な設備が必要になりますので、かなりお金が必要になります。
先ずは3,000,000円の融資を取り付け、必要な物は購入しつつも、高額になるPCや複合機などはリース契約にしました。
結局、ここでも生きてくるのが情報収集能力なんですよねー。
そしてそして、この時に絶対やって欲しい事が、『本当に、それじゃなきゃダメなの?』『二番じゃダメなんでしょうか!?』という様に、一度立ち止まるという癖をつけて欲しいんです。
ちょっと余談ですが、特にここ最近は ”起業=アプリ開発” と言っても過言では無いほど、肌感覚では起業志望の60%以上が何かしらのアプリケーション開発を検討してる感じです。
確かに、僕もアプリケーションを使用したサービスは毎日の様に利用してます。
ショッピングもポイ活も、動画もニュースも、スマホで使えるアプリはとても便利で、新たなサービスを世の中に普及させるにはもってこいだと思います。
でも、アプリ開発ってそれだけでめっっっっちゃお金かかるんですよね。
しかも、知ってもらわなきゃ普及しないので広告費だってめっちゃかかります。
なので、セミナー参加者のビジネスモデルを聞いて、『アプリ開発して、、』っていう方には、
『先ずはECサイト(やWEBサイト)からの集客は不可能なんですかね?』と聞くようにしています。
とにかく、『なぜアプリケーションなのか?』を一度立ち止まってめちゃくちゃ考えて欲しいんですよ。
だって、創業してから3年間は、大抵がお金でめっっっっっっっちゃ苦労するからです。
創業しますー⇒固定費及び流動費の支出が発生しますー⇒僅かな売上からスタートしますー⇒手持ちのキャッシュが目減りしますー⇒ちょっとずつ売上伸びますー⇒毎月の支出が増えますー⇒手持ちのキャッシュが更に目減りしますー
と言った具合に、支出がゼロに近い状態から売り上げを作っていければ理想ですが、前の会社から顧客を貰ったりしない限りは全て新規の顧客づくりからですよね。
僕の場合、創業半年目にして従業員さんの給料や家賃、返済ができないデフォルト寸前になった経験があります。
これを書くと長くなるので割愛しますが、僕はこのピンチを ”私募債の発行” という手段で乗り切りました。
結局、不運も重なった事も有って、創業から10か月目には借り入れが10,000,000円を超えてしまい、頭頂部には2つも円形脱毛症ができました。
それでも、何度も資金計画を練りなおし、事業計画を修正しながら金融機関に相談して乗り切り、今があります。
社長って、そういう覚悟も必要なんですよ。
いずれにせよ、『事の起こりは小さく。』が基本です。
最初にドーーーン!とお金が必要な事業にならない様に頭を使うのも社長の役割ですし、どうしても必要ならVC(ベンチャーキャピタル)から資金調達するのも社長の仕事です。
めちゃくちゃ情報を集めて、めちゃくちゃ頭使って、めちゃくちゃ悩んでみてください。
社長って、楽しいの?
起業を考えてる人は、そもそもなぜ起業しようと考えたのでしょうか?
先日のセミナーでも同じ問いをしたところ、
『社長になってみたい』
『良い仲間に巡り合えた』
『実は、もう創業してる』
『自分と同じ悩みを抱える人を、助けたい』
など、動機は勿論様々です。
僕は、このブログの前の題名だった『サラリーマン不適合者』である事に気付いたのが、起業の切っ掛けです。
サラリーマン不適合者だから起業した。
そんな動機で起業して、社長は楽しいのか?
結論は、やっぱり楽しいですよ。
自分の人生を、自分の考えで動かせている実感があります。
時間やお金、行動の全てを範囲内で自由にできる事が、何より幸せです。
でも、もちろん制約も不自由を感じる事もありますよ。
起業の理由は、何でも良いと思うんです。
ただ一つ、『自分が会社をする事で、幸せになる人を作れるか』だけだと思います。
僕は結婚を機に起業しましたが、理由としては『給料が高い会社よりも、続けられる仕事がしたい』という思いがありました。
それまでの僕は、正社員やアルバイト、派遣に有期職員まで合わせると10社近くで仕事をしています。
とにかく、仕事(会社に属する)が続かないんです。
でも、結婚してからもそんなにコロコロ転職してたんじゃ、妻も不安ですよね。
休みは会社に決められて、給料は年数の経過か他人の評価で変わるのがどうしても嫌だったんです。
そして、年齢的にも少しずつ世の中が見え始めて、矛盾を強く感じ、『なんか、今の世の中っておかしいよね』と思い始めたタイミングが起業でした。
結果、さっきも書きましたが、僕はお金で苦しみました。
500円ハゲも2個作りました。
でも、今は十分に生活していけます。
余分も無ければ不足も無い。
今日も、新車でトヨタのハイエースが納車されましたが、必要な物は買える様になりました。
社長業は、正直言ってキツイです。
でも、それ以上とは言いませんが、同じ分だけ楽しいです。
先が見えない世の中にあって、この時期での起業に二の足を踏む人もいるでしょう。
でも、起業するならいつやっても同じです。
創業100年超えていようが、あっさり倒産してしまうんですから。
大事な事は、経営力だけです。
100年企業でも、新たな起業でも、つまるところは経営力なんです。
最近は、SNSが定着した事もあってか、いわゆる "キラキラ起業家” を目指す人が増えてますよね。
『あんなんはつまらん』とは思いませんが、あまり実態のない "ビジネス” をやって、"成功者” としてSNSで振る舞い、"セミナー” や "講演会” で儲けるというのが実態というケースも目立ちます。
それでも、『稼いでるから良いじゃない』という考えもあるでしょうが、僕はやっぱり "幸せになる人を作れるか” を求め続けた方が良いと思ってます。
皆さんがどちらを目指すかは自由ですけど、事業をする以上は必ず誰かを巻き込む事になりますので、その人たちを絶対に不幸にしない様にして欲しいものです。
おわりに
今日の記事は長文になり、すみませんでした。
端的に言うと
①めっちゃ情報を集めて、めっちゃ頭使おうね
②絶対にお金で苦しむから、覚悟しとこうね
③事業で誰かを幸せにしようね
という事を4,000字以上かけて書きました。
起業が全てではありませんし、特別にオススメもしません。
でも、会社から与えられた仕事だけをする人が多い国より、自分から新たなサービスを生み出して、少しでも世の中を良くしたいと思う人が多い国の方が良いような気がしてます。
教育も含めて、起業へのハードルがもっと下がると良いんですけどね。