平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

障害特性について考えてみる

ウチの三男坊は ”軽度の発達障害” との診断を受けている事は以前から公表していますが、日常生活の上では発語がスムーズで無かったり、意図が汲み取れない質問をしてくるくらいで、学習などについては支援学級のお陰で付いて行けてると言った感じです。

 

 

 

 

さて、この ”障害” という言葉。

 

 

イメージ的には ”不自由” や ”欠損” など、いわゆる「足りて無い状態」みたいな印象を持たれる方も多いかと思いますが、僕の中では ”障害=足りていない” と言うのは正確では無いと思っていて、その表れとして”障害” の後に ”特性” という言葉を使う様にしています。

 

 

 

何故僕が ”特性” という言葉を使うのか、今朝の三男坊くんとのエピソードを元に書いてみたいと思います。

 

 

 

 

彼は日頃からとても規則正しい生活を送っていて、他の兄弟が夜になってもわちゃわちゃしていようが、全く構わずに一人で歯磨きをして二階に上がって一人で寝ます。

 

ワンコのご飯も率先してあげてくれますし、愛情深い性格なので彼の周りには常にワンコが寄り添っている様な状況です。

 

 

 

そうやって日々を穏やかに過ごす彼ですが、規則正しい生活を送ってるが故に誰よりも起床時間が早く、「早起きは三文の徳」と言わんばかりに早朝から大好きなゲームに熱中してます。

 

 

そんな中でのとある日曜日の朝のこと。

目が覚めて一階のリビングに向かったところ、既に彼は起床してゲームをしていました。

 

 

僕は「おはよう!」とに彼に声を掛けて時計を見ると時間は朝の7時。

僕は ”ワンコのご飯の時間だな” と思った為、「もうワンコにご飯あげてくれたかな?」と彼に聞きくと、「あ!まだあげて無かった!」との返事がきました。

 

 

すると彼からこんな質問が。

 

「もう起きたらご飯あげて良い?」

 

 

 

僕はその時に彼の質問の意図が少し読み取り辛いと感じつつも「いつもの時間になったらあげて良いよ」と返しました。

 

 

 

彼は「分かった!!」と言ってご飯の準備をしてくれたのですが、やはりこれでは正確に伝わっていなかった様で、その事について彼と今朝話をする事になりました。

 

 

 

 

今朝は珍しくワンコが吠える声で目が覚め、「あんな吠え方をするのは人が来た時か、ご飯のときだけなのになー」と思いながら時計を見ると、針は朝の6時。

 

 

こんな時間にワンコが吠える事は過去には無かったので、僕は侵入者を警戒して恐る恐る一階を覗き込んだところ、どうやら彼がワンコにご飯を上げてくれていたのでした。

 

 

 

僕は安心したのと同時に「あ、これは彼の特性だ!」と思い、話をする為に一階へ向かうことに。

 

 

 

 

僕が会話の中で彼に伝えた内容は

「ワンコにご飯をあげてくれてありがとう」という事と

「できたらご飯は7時まで待とうね」という事です。

 

 

その話を聞いた彼からは、もちろん「なんで?」という質問がきます。

 

 

僕はその質問に対し

「朝早くご飯をあげちゃうと、夕方早くお腹が空いちゃうよね?」という事と、

「三男坊くんが起きたらご飯じゃなくて、時間を守ってあげる事が大事だよ」と伝えました。

 

 

 

彼は理解してくれた様ですが、これは彼がこれから社会に出ていく上でとても重要な ”特性との付き合い方” になると思っています。

 

 

 

前回のやり取りから、彼は「自分が起きたらワンコにご飯」と思い込んでいて、彼なりに ”正しい行動” を今朝もしてくれました。

 

 

しかし社会にはルールがあり、しかもこれは結構厳しくシビアです。

 

 

 

僕ももう少し細かく「三男坊くんが起きたらご飯じゃ無くて、7時になるのを待ってからご飯を上げようね」と伝えるべきだったと反省です。

 

 

 

その上で、彼には ”自分の時間軸” で行動するのではなく、”ルールに則った時間軸” で行動する事をもう少し強く伝えないといけないと感じました。

 

 

 

「ワンコにご飯をあげるんだ!!」という事に拘(こだわ)りを持つ事こそ、彼の特性の中の一つです。

 

 

これはとても素晴らしい事なのですが、僕の「いつもの時間になったら」というキーワードが耳に残っていなかった部分については ”障害” という事になるのだと思います。

 

 

 

 

その上で先述したように、 ”障害=足りてない” というのは違うと思ってるというのも、ただ単に個々の特性として

①理解が浅い

②聞き逃しがある

③忘れ物が多い

④感情のコントロールができない

⑤じっとしてられない

等という事に対して「どう向き合うか」だけのことだと思っているからです。

 

 

 

 

スバルの利用者さんの中にも家庭でのいざこざやネット上での見えない相手とのやり取りで気持ちを乱し、感情のコントロールができない状態で僕の所に相談に来る人が沢山います。

 

 

ただそれは単純に 「特性がダダ洩れ」 しているだけなので、じっくり話を聞く事で大抵の方は気持ちが落ち着きます。

 

 

 

ウチの様な就労継続支援を利用される方々は、周囲との折り合いが付きにくいという特性が殆どで、逆に言うとある程度折り合いがつけば力を十分に発揮できます。

 

 

 

社会ってシビアです。

 

 

 

その上で疑問の多い社会でもあります。

 

 

 

そんな社会で気持ちの折り合いが付かず、悩み苦しんでる方ってまだまだ沢山いると思うんです。

 

 

 

そういう方にこそ、一度スバルを見て欲しいとも感じています。

 

 

 

特性=人それぞれ

 

 

 

 

もっと寛容な社会であってもらいたいものですね。