平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

共依存の現実

共依存という言葉をご存知でしょうか?

 

『親子であったも他人』という線引きが難しく、経済的や精神的にお互いが依存していないと生活が成立しなかったり、社会生活を送る上での不安や問題を親子だけで抱えてるケースなど、密かな社会問題となりつつあります。

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この記事もありますが、僕も以前の記事で触れた『8050問題』と密接な関係にあるのがこの共依存です。

 

 

専門外なのでハッキリとしたことは言えませんが、知的や精神の障害がある方の場合、子供にもその障害特性が一定数は遺伝している様にも思います。

 

僕の経験上、精神障害で手帳を取得されてる方の中には軽度の知的障害も併せて認定を受けてる方が多く、精神と知的には密接な関係がある様にも思えます。

 

 

 

そしてこの共依存はウチの事業所でもかなり身近な存在で、今もこの共依存が原因で通所できてないメンバーもいます。

 

 

このメンバーA君は所謂『7040問題』なのですが、本人は精神障害で母親が軽度の知的障害という組み合わせです。

 

 

 

そしてこのA君の家庭のケースで問題なのが、父親が同居してるという点なんです。

 

 

先ほどの記事のケースでは母親と娘さんの二人暮らしという事でしたが、母親が軽度の知的障害があるにも関わず父親が完全に家庭に対して無関心で、この無関心さがA君の精神状態に悪影響を与えるんです。

 

 

『僕が母親をみないと』がA君の口癖ですが、母親は母親でA君に『早く自立しなさい』と言います。

 

 

A君からすれば、『僕がみていないとダメなクセに!』という主張なのですが、この関係性が完全な共依存なんです。

 

 

母親も口では『早く自立しろ』とは言いますが、病気がちな事も有り食事や生活面もA君のサポートが必要なのは間違いありません。

 

 

 

そこで、A君にはヘルパーさんの利用等を勧めたり、グループホームへの入所を提案して物理的な距離を空ける事を促してはいますが、やはり共依存が強い二人はなかなか離れる事ができません。

 

 

 

そうなると、無関心な父親に対するイライラと、何かと手のかかる母親に対するイライラが募ります。

 

 

でも離れられない。

 

 

 

三者からみれば、明らかに離れて暮らした方が言いに決まってるんですけど、どうしてもこれができない。

 

 

 

何より、父親も含めた三人の収入が絶妙なバランスを取ってるという現実もあり、誰かが抜けると経済崩壊の懸念まである事が大きな問題です。

 

 

そうなる前に三人とも公的支援も含めて自立できる環境を整えないといけないのに、それも踏み出せない。

 

 

 

共依存の現実は、かなり厳しい局面にきていると思います。