爆弾低気圧の襲来により、ここ2、3日は急激な冷え込みに襲われました。
車のフロントガラスにも氷が張るなど、2月とは思えない程の冷え込みです。
もうそろそろ落ち着くとは思いますが、そうなると今度は花粉の季節に。。。
花粉症の症状が出始めているので、今夜にでもお薬を買いに行こうと思います。
さて、B型スバルは『高工賃』を実現する為に様々な事業を展開していますが、その事もあって外作業が多い為、身体の方は少なく知的障害と精神障害のある方が大半を占めています。
知的の方は、理解力という点において難しい方もいらっしゃいますが、精神の方で一番難しいのが『感情のコントロール』ではないでしょうか。
精神のAさんは、作業中に注意をされる事がとても苦手で、手順などにも強いこだわりがあります。
箱折作業に関しても、24個で1ケースとなると24個ずつ仕上げないとダメで、10個できた所で引き取ろうとするとペースが乱れてしまいます。
そんなAさんの特性を早めに理解する為に我々がやる事は、”本人に確認する”という作業です。
『A君、ここから10個貰っても大丈夫?』という様に、本人に確認してから引き取るという工夫が必要になりますが、逆に言うと、それさえやればA君のペースは乱れません。
そして精神のB君。
B君はコミュニケーションスキルに課題があり、一部のメンバーとしか接点を持とうとしませんでした。
その上で、感情暴露が強い上に、他の人と自分を比較してしまう傾向にあり、
『俺は仕事頑張ってるのに、誰もやってない。』
『俺は努力してるのに、誰も認めてくれない。』
『俺を皆と同じように扱ってくれない。』
等と強い口調で叫んでしまう事も。
ここ最近でも、職員が運転している時に後ろからシートを強く蹴ったり、事務所のテーブルを強く叩いてお茶をぶちまけたりと、いわゆる問題行動が頻発していました。
そうなると、事務所の雰囲気も当然悪くなりますので、職員がB君を外に呼んで落ち着かせるのですが、それも一過性というのをずーっと繰り返していました。
B君は、これまでも複数の事業所を渡り歩いていて、1週間以上続いた事がありませんので、相談員さんからは『新記録』とも言われていますが、それも頷けます。
それでも僕は、彼らの ”可能性を絶対に諦めない” 事を信念に接しています。
職員さんにも、常日頃から
『誰でも、必ず可能性を秘めてるから、そこを信じよう』
と伝えています。
可能性を信じて、可能性を引き出す。
それを、僕たちが諦めるのであれば、僕たちの存在意義は無くなると思っています。
そして、我々が ”大前提” としなければいけない事は、
『感情のコントロールが出来なくて、一番辛いのは本人』
であるという事です。
これは過去に、高次脳機能障害者の支援に失敗した事から学んだ教訓です。
”本人が一番辛い” 事を前提にしなければ、
『何で言う事を理解してくれないんだ』
『皆の雰囲気を乱す人は、ここには置いておけない』
となってしまいます。
それは、こっち側本位の考えだと僕は思います。
今回はB君が皆の前で感情暴露してしまいました。
その事により事業所内は、険悪なムードになり、他のメンバーからも
『あいつとは一緒に仕事したくない』
『送迎を一緒にしないで』
などの苦情が相次ぐ事に発展してしまいました。
それでも、『一番辛いのは本人』との思いで、B君を呼び出して二人で話をしました。
『感情のコントロールが出来なくて、一番辛いのはB君だと僕は理解している。 だけど、君自身の行いで皆の輪の中から外れてる事を、強く理解をして欲しい。 もう一度輪に入りたいのであれば、自分からその過ちを認めて、もう一度輪に入れて貰える様にお願いしなきゃ』
と促しました。
『お前、謝れよ』というのは嫌いです。
悪いと自覚していない人の謝罪ほど、意味を持たないからです。
本当に、本人が自分を受け入れて貰う事を望まなければ、その謝罪は意味がありませんし、何なら『無理やり謝らされた』と、パワハラにもなり得ます。
B君とじっくり話をし、これからもサポートしたい事を率直に伝えました。
しかし、最後はB君次第です。
僕が、
『B君はどうしたいの?』と聞くと、
B君は、自ら『謝罪したい』と申し出てくれました。
B君は、
『まだまだ成長が足りないけど、社長さんの下で仕事をして、少しですけど成長も感じてます。 なので、まだ社長さんの下で仕事がしたいです』
とも言ってくれました。
僕は、『最後のチャンスだから、失敗は許されないよ』
と、強い口調で念を押した上で、皆が作業する現場に彼を連れて行き、一人一人と話す機会を設けた上で、彼は誠実に謝罪をしていました。
謝罪を受けたメンバーからは
『私も失敗ばかりだから気にしないで。』
『謝ってくれてありがとう。』
『一緒に成長しようね』
という、好意的な反応が貰えて、B君も喜んでいました。
スバルのメンバーは、本当に強い絆があるんだなーと実感。
今日は湯布院に行ってるメンバーもいるので残りは後日になりますが、彼にとっては大成長の一日だったと感じています。
今回の件で、僕もB君を通して成長させて貰えた事に感謝です。
B君という存在がいて、B君と一緒に悩んで、B君と一緒に解決方法を探した事でしか、この成長は得られません。
まだまだ、全ての問題が解決した訳ではありませんし、これからも新たな問題が勃発する事は間違いありません。
でも、そんな時こそ
”変毒為薬” 『毒を変じて薬と為(な)す』だと思います。
逆境は、いつでも起こります。
諦める事は簡単ですが、これからも可能性を絶対に諦めず、一人一人と向き合っていきたいと思います。