僕が住んでる別府市も10数年前までは出産お祝い金という制度があったらしく、一人目10万円二人目20万円と言った具合に子供が増える程お祝い金も増えてたそうです。
それが僕たちが子供を授かる数年前に無くなっていた事を知った時は結構ガッカリしました。
別にお金が欲しくて子供を作る訳では無いのですが(出産直後は色々とお金がいるので助かるが、別にそれで全てを賄える訳ではないので)、”貰えてたお金が貰えなくなる” というのはかなり悲しいものがあります。
そういう点で言えば、新たに設置される支援策というのは概ね歓迎されるものだとは思いますが、ここでは『子供を増やす為の議論だけで本当に良いのか?』というテーマで投げかけてみたいと思います。
世の中は物価高で尚且つ賃金が上がらないという、かつてない程子育て世代には厳しい時代となっています。
そこで東京都は独自の子育て支援を行う事を表明しましたと。
小池さんらしく『チルドレンファースト』なんてキャッチを付ける事も忘れず、『東京都独自路線』で他の自治体よりも先に施策を打ち出す事で『小池ファースト』をしっかり打ち出す事に成功しました。
しかし先ほども書きましたが『月5,000円貰えるなら子供作ろう!!』とはなりませんよね。
ではなぜ小池さんは5,000円を配る決断をしたのでしょうか?
しかも年が明けた来年1月から支給するらしいですが、国民が本当にお金が欲しいのは進学を控えて制服を買わなきゃいけない年末なんですよね。
時期がズレてる上に金額も月額5千円。
ホントにビミョーですよねー。
東京って地方自治体では唯一地方交付税交付金を受け取っていない事で知られてますが、それだけ企業や人口が多いので国に頼らなくても十分やっていけるという事の現れですよね。
その事により国に ”弱み” を握られずに済んでるのもあって、これだけ小池さんは肩で風切って歩けるって訳です。
そこで考えたいのが、『そもそも東京都って少子化対策する意味あるの?』って事です。
東京都がもし、子供一人当たり年間100万円なんて配る様な対策を独自に打ち出したらどうなるでしょうか?
東京都の地価や物価が日本で一番高いのも、人口密度が過密な程に一極集中してるからですよね。
なのに、東京都が『日本で一番子供を産み育てやすい』となるとまたそこに若者が集まる事になり、更なる地価上昇や物価の高騰が進むだけの様な気がしてます。
前々から書いてますが、東京一極集中と限界集落に住み続ける人たちの問題をどうにかしないといけないと思っています。
日本より国土面積が狭かったり人口が少ない国なんていくらでもありますが、日本は何故か『人口減少に歯止めをかけろ!!』と言い続けていますよね。
それは単純な理由で、今まで作ってきたインフラや年金などの制度を維持する事が目的です。
でも僕はそこを維持する事を考えるより ”適正なダウンサイジング” を模索するべきだと思います。
もうね、
『産前産後の金銭的支援が少ないから子供を作らないんだ』とか
『何とかして若者に子供を作って貰える様な支援を考えるべきだ』
という様な議論は必要無いような気がしてます。
具体的な議論の論点は、
『高齢者に街中に移住してもらうにはどうしたら良いか?』とか、
『東京都民や東京に本社を置く企業には ”国が課税する” とかどう?』
とかそのくらいの大ナタを振らないとダメなのかなーと。
要は『子供を増やすための』議論じゃなくて、人口が減る日本をどう『ダウンサイジングしていくか』の議論の方が現実的だと思う次第です。