平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

いつかは事業買収やりたいんですけどねー

日本の中小企業が、後継者不足で廃業の危機に陥っています。

news.yahoo.co.jp

 

日本国内における企業数は367万社となっており、その99.7%は中小企業と言われています。

 

 

そして、その中小企業の『社長さんの平均年齢が上がっている』とは聞いていましたが、間もなく70歳に迫ろうとは思いもよりませんでした。

 

 

 

こうなると、大切なのは "後継者探し” ですが、中小企業ほど外部から優秀な経営者を招聘する体力などありませんし、昔から社長に付いてきた社員さんであれば、尚更の事外部からの招聘には抵抗があるのではないでしょうか。

 

 

 

しかし、待ったなしの状況が迫っている今、自分たちの様な40代の経営者が積極的に事業買収に動くのは、社会的にも意義があるような気がします。

 

 

 

買収には、いくつも気を付けなければならないポイントがあります。

 

①自社との高いシナジー効果が得られるかどうか

②設備の老朽化による再投資がどれだけ必要なのか

③土地や建物などの資産はどれほどの価値があるのか

④元々の従業員さんは受け入れてくれるのか

⑤負債が少なく、利益を出せる体質になっているのか

⑥社長さんの知識や経験、人脈に依存する事業になっていないか

⑦既存設備や人員を活用し、新サービスを生み出す事は可能か

 

など色々ありますが、先ずはやっぱりしっかり調べたい事が "お金” の事ですねー。

 

結構あるらしいんです。 帳簿に載ってない "隠れた負債” がね。

 

 

 

基本的には、先方さんから売買代金の提示がありますが、こちらはこちらでその会社の適性金額を算出をします。

 

 

その際の資料となるのは、基本的には決算書と試算表程度しかなく、不動産などがあればその時の評価額などをざっくり教えてもらうくらいです。

 

 

 

本当は、通帳と照らし合わせてキャッシュフローも見たいですし、どの取引先とどれくらいの取引があるのかの一覧も欲しい位ですが、通帳見せるのは抵抗がありますし、取引先リストなんて作ってる中小企業なんて少ないのが現状です。

 

 

 

1年近く前の話ですが、僕の所にも事業買収案件の話が来たことがあります。

 

 

詳しくは言えませんが、ザックリ言うと木材の製材所で、メーカーからの下請けで家具類の製造まで行っていました。

 

 

何故ウチに話が来たかというと、その会社さんでは障害者雇用を行っており、できれば理解のある経営者に引き継いで欲しいとのオーナー様の意向だったそうです。

 

 

 

実際に会社さんを訪問しましたが、従業員さんも役割を誠実に遂行していましたし、工場内も整理が行き届いてる印象でした。

敷地も広く、他の用途にも転用できそうなほどです。

 

売上は "好調!” とまでは言いませんが、閑散期を除くと月次でも黒字ですし、年間を通してもちゃんと利益が出ていました。

 

 

正直言って、 "悪くない” 会社ではありました。

 

 

でも、 "欲しい!” 会社では無かったんです。

 

 

 

まず第一にネックになったのが、やはり別府からの距離です。

片道1時間半近くの道のりは、何かあった時に機動力を発揮できませんし、現場を見に行くのも一苦労。

こうなると、会議の後は泊まらなければなりません。

 

 

そして、次の課題が設備の老朽化です。

場内は整然と整理されてはいるのですが、現在は稼働していない機械類が多数残っていたり、建屋が分かれている事で効率が落ちている為、改善が必要です。

この設備投資をザックリ試算すると、やはり3,000万円ほどの費用が発生します。

少しずつ改善する方法もありますが、それだとどうしても生産能力が下がり過ぎるんですね。

やっぱり、設備投資が必要な物件は慎重にならざるを得ません。

 

 

 

その上で、トータル的にどうなのか?という事です。

 

 

最終的にはお断りになったのですが、やっぱり既存事業との強力なシナジーが期待できにくいところが、見送った理由でした。

 

 

自己資金と銀行からの借り入れで購入資金を準備した場合、毎月の支払いを買収した会社の利益から払っていけるのか等を計算すると、 "旨み” が殆ど感じられませんでした。

 

 

 

この様に、様々な要因が絡む事業買収には、やはりプロのアドバイスが欠かせませんし、できるだけ有利な条件を引き出せるかがポイントになりそうです。

 

 

事業買収。

 

 

 

何年後になるか分かりませんが、タイミングが来たら挑戦しようと思います。