これから先、企業と金融機関のチキンレースが始まるかも知れません。
題名とニュース記事には乖離が見られると思われる方もいらっしゃると思いますが、重要な事は ”良い借金” と ”悪い借金” の分別が大事という事です。
良い借金をして金融機関と良好な関係を続けてきた会社で、社長がしっかりと先を見据えたキャッシュフロー経営をやってさえいれば、金融機関のプロパー融資で体力を確保できていたハズですが、先を見据えず ”無借金経営” にこだわっていた会社ほど、政府主導の『ゼロゼロ融資』に手を出したのではないでしょうか。
『ウチは、無借金経営なんでね』なんて自慢してる経営者は沢山いますが、僕はその話を聞くたびに『あー、この会社は金融機関からの信用が積み上がっていないんだな』と思ってしまします。
金融機関は、『返済能力がある』と判断できる企業にしかお金は貸しません。
要するに、事業が右肩上がりで成長しているか、十分なキャッシュが手元にあるか。
人を見てくれる金融機関であれば、少々手元のキャッシュが少なくても将来性に賭けてくれる可能性はありますが、地銀大手や準大手なんかは『決算書』や『試算表』での事務的で機械的な判断となる事が殆どなので、厳しいでしょう。
秋以降に迫るとされる『ゼロゼロ融資』の返済スタート。
景気回復の兆しが見えて、『これから何とか!』というタイミングで資金ショートとならない為にも、今の内からしっかりと『事業再生計画』を作り、ゼロゼロ融資の返済を含めた資金計画を準備し、金融機関へプロパーでの融資を申し込んでおく事を強くお勧めします。
しかし、新たな借り入れはかなりのリスクを伴います。
ゼロゼロ融資の返済+新たな借り入れの返済 の目途が立たないのであれば、早々に撤退の準備を整えるべきでしょう。
僕は前の記事にも書きましたけど、政府は『ゼロゼロ融資』なんかせずに、『廃業に伴う助成金』を交付した方が余程賢明だったと今でも思っています。
恐らく、『1~2年もすればコロナは落ち着くだろう』という楽観的な見立てがあったと思いますが、その辺がダメなんですよね。
そこに、『もし、3年以上続いたら?』の想像力があれば、違っていたと思いますが今となればタラレバです。
無借金経営にこだわってる経営者の方がいらっしゃれば、是非とも今の内に再建計画を作るなど、『経営者』としての能力を発揮してお金を借りて下さい!