3月11日。
東日本大震災のあの日から11年を迎えましたね。
『長かった』『短かった』『あれから時が止まったようで』
ラジオを聞いていると、色んな声が聞こえてきますが、本当に捉え方は人それぞれだと感じます。
僕も、先月から自宅の屋外に倉庫を作り始めたのですが、その目的は『防災グッズの備蓄』です。
何かあれば直ぐに車に積み込める様に、駐車スペースの後ろ側に設置していますが、その意識を高めてくれたのは間違いなく東日本大震災です。
お亡くなりになった方のご冥福と、心の傷が一日でも早く癒えますように。
さて、少し前の話ですが、異業種で集まってる会の飲み会での事。
立場も年齢も様々で、僕のような創業者や二代目さん、サラリーマンの役職者などと話してる中で、ネタとしてアンケートを取ったんですけど、それがまぁ面白い位にハッキリ分れたのでそれを書いてみたいと思います。
その会では、色々と物事を決めていく会議を月に一回してるのですが、その会議の中でのやり取りでずっと引っかかっていたことがあったんです。
内容は、『今回だけ、例会の会費を1,000円上げさせて貰いたいけど、どうでしょうか?』という中身でして、もちろん『会費が上がる理由は?』とか、『金額を相談できる部分は無いの?』という意見は活発に上がっていました。
僕も、話を聞く限りは『値上がり幅と内容との整合性は取れてる』と内心では思っていたので、賛成に手を上げようと思っていました。
しかし、議論の後半になって、小売店をやってる次期二代目君が口を開きました。
『1,000円位で色々言う人なんていないでしょ!』
周囲も『まぁ、それはそうだろうけど』という雰囲気になりましたが、結局はこの一言に押し切られた感じを受けたのです。
僕はどうしても ”1,000円位” という言葉が引っかかってしまいました。
それから何か月か過ぎた頃、また同じような状況でも次期二代目君は『それくらい、皆に確認取らなくったって大丈夫っしょ!』と言ってたのを耳にしました。
僕は、1,000円でも値上げするならそれなりの根拠を知りたいと思いますが、彼はそう思わない。
その違いは何なんでしょう。
僕が思い至ったのは、やっぱり『お金に苦労した事あるかどうか』という事です。
ゼロから会社を初めて、1円を生み出す苦しさを味わった僕からすると、1,000円にも価値を感じないと払いたくありません。
もっと言うと、自分が必要と感じていないモノにお金を支出する事自体に強い抵抗があります。
そこで、その会の懇親会での事。僕は話のネタとしてアンケートを取りました。
それが、
『美味しいか分からないけど話題になってるラーメンに1,000円払うのと、使い道が決まって無いけど銀行とのお付き合いで1,000万円借りるのとは、どっちが抵抗ある?』
という内容ですが、答えが面白いように割れました。
次期二代目君の答えは『取り敢えず話題になってるなら1,000円でもラーメン食べる。資金需要があれば借り入れるけど、そうじゃないなら借りない。』
サラリーマンさんの答えは『食べた人の意見を聞いて、美味しそうなら取り敢えず行ってみる。必要の無い借金なんて、金利を払うだけ無駄だから絶対に借りない。』
です。
なるほどー。
聞いておきながらあれですけど、僕は子供の頃から豚骨ラーメンを食べつけていて、今でも600円台で美味しいラーメンが十分食べられるので、話題になろうが何だろうが1,000円を出してまで食べたいとは思いません。
そして、1,000万円はというと、
それは『喜んで借ります!!』が僕の答えです。
これは、二代目君の中でも代替わりして数年のキャリアのある方とも意見が合いました。
そして、ベテラン二代目君の答えに痺れたのが、『従業員と出先でなら行くかなー』って。カッコイイですよねー。
1,000円に対する考え方や使い方に関してもこれだけ差が出るし、環境や立場でこうもハッキリ分れるのは面白い結果だと思います。
僕が1,000万円を喜んで借りるのは
①手元に現金が有れば、安心して経営できる。
②手元に現金が有れば、いざという時に攻めに出れる。
③手元に現金が有れば、経営環境が厳しくなっても一定期間は何とかなる。
と言うのが主な理由です。
だって、経営が厳しくなってからだと金融機関は貸してくれないんだもん。
銀行さんからすれば、お金を預けてくれてる人や会社より、借りてくれてる方がお客さんですよね。
だったら、『社長、資金需要はありませんか?』って言われたら、無くても『あるある!!』っていうのが金融機関とのお付き合いというものです。
これは、良い借金だと思います。
そうやって、1,000万円を借りる事に躊躇しない僕が、1,000円の支払いには物凄く躊躇するって事です。
長くお付き合いしようと思うと、お金に関する感覚って大事だなーと思ったお話でした。