平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

これじゃあ、ね。。

今日もヤフーニュースから記事を拝借。

news.yahoo.co.jp

何と、『200円カレー』という超激安カレーライスを提供している会社があったとは驚きです。

 

そして、その激安カレーを提供していた会社とは、その名も

『株式会社 原価率研究所』(以下:研究所)

genkaritsu.co.jp

 

このニュースを読んだ僕は、その会社に強い興味を持ちました。

 

だって、売価が200円ですよ?

 

ミネラルウォーターのエビアンですら110円なのに、カレーライスを容器代やスプーンまで付けて200円で成立するとはとても思えません。(実際にできなかったから倒産したんでしょうけど)

 

では何故、研究所さんはここに挑戦したのでしょうか?

HPにはこうあります。

200円カレー

200円カレーを販売する「原価率研究所」。より沢山の人に低価格でカレーライスを提供したいという思いから、200円のカレーライスを年中無休で提供しております。当研究所のカレーライスは、安全な食材を使い、味は100人中100人が食べたことのあるような馴染みのある味で、1人前として十分なボリュームとなっております。

なるほどなるほど。

『沢山の人に、低価格でカレーライスを提供したい』。

これが、研究所さんの理念っぽいですね。

さらにページを読み進めて行くと、

『食べる事は誰にとっても平等でなければならない』

とも。

 

熱いですねー。

 

でも、僕は先ほど引用した内容にこそ、倒産の原因が隠れている様な気がします。

それが、『味は100人中100人が食べたことあるような馴染みの味』という部分です。

 

それってボン〇レーの事ですよね?

 

ここなんですよね。誰でも作れちゃうカレーライスを、200円であってもお金を出して買おうと思う人が『何人いるのか』が重要なんです。

 

どうやら原価率の計算ばかりで、”市場”を正確に捉える事を軽視していたのではないでしょうか?

 

HPにも、

『価格が安くても、大量に売れば利益は出る』

『販売数が少なくても、価格が高ければ利益は出る』

という様なニュアンスの内容がありましたが、それはそうでしょう。 そこについては、まぁまぁ同意です。

 

原価率の計算ってちょっと面倒ですけど、それをちゃんとやってる飲食店とそうでない飲食店とでは、利益率が『全然変わる』と飲食店経営者から聞いた事があります。

 

なので、研究所さんの取り組み自体は間違いでは無いと思うのですが、たとえカレーライスを200円で販売して、利益がいくら残るのでしょうか?

そして、そこから家賃や水道光熱費、人件費や材料費などの販管費を差し引いた純利益はどのくらい残るのでしょうか?

 

もしかすると、研究所さんが本当に研究しなければいけなかったのは、原価率よりも”市場規模”や”利益率”の方だったかも知れませんね。

 

 

となると、この様な会社が陥りやすい点を挙げると

①家賃を下げる為に立地が悪くなる

②従業員さんの給料を上げられない

③原価を落とすために品質も落とす

スケールメリットが無いと勝負できない

というのは容易に想像できますよね。

 

HPには『100店舗を目指す』とありますが、逆を言うと100店舗無いと利益を確保できなかったのではと思ってしまいます。

 

しかし、立地が悪く、従業員さんの待遇が上がらず、品質も上げられない状況で、スケールメリットを作り出すまでの店舗を増やす事は、本当に可能なのでしょうか?

 

地代と人件費と材料費は、固定費として重くのしかかります。

 

今回の敗因は、低い粗利率を凌駕できる程のスケールまで、拡大できなかった事でしょうね。