ウチみたいな小さな会社の場合、代表の僕がクレーム処理に当たる事は少なくありません。
ご高齢の会社経営者のケース
以前、高齢者の方に庭と家周辺の草刈りを、始めてご依頼頂きました。
しかし、作業が始まった直ぐから、見積もりには無い『あれやって』『これできる?』『ついでにこれもこうして欲しい』が出てきたのですが、このパターンって大体 ”怪しい” んです。
普通なら、”追加工事” になりますので、『これって処分したらいくらくらいかかるかな?』と ”お金” の話が出てきて当然ですが、そんな素振りは一切ありませんでした。
こちらからも、『この処分費はいくら掛かるか分からないので、実費でご請求させて頂きます』と伝えますが、『まぁ、何か知り合いとかに頼んで、安く済ませてよ。』と。
結局、作業が終わったのが月の半ば頃で、月明けに請求書を発行する予定でしたが、ちょうどその頃に電話がありました。
僕は作業のお礼か追加の依頼と思い、いつも通りに電話にでると
『作業が終わったのに、なんで挨拶に来ないんだ。』
『初めての依頼なんだから請求書を持ってくるのが商売人として当然だろ!』と、のっけからまぁまぁな剣幕で話してきます。
僕は、『すみません、作業は完了していると職員から聞いていますし、〇〇様も完了を確認して頂いてると思うんですが?』と聞きました。 すると、
『あんたねー、作業が完了したとかしてないとか、そんな話はしてないんだよ。 何で挨拶に来ないんだと言ってるんだ。』と。
続けて、『請求書も上がって来てないし、そんなんなら金払えんよ? こっちはいつ来るかと、従業員にまで伝えて待たせておいたのに、いつまで経っても来やしない。一体どうなってるの!?』と。
僕は、『請求書は、月末で締めてからお届けするとお伝えしていたはずですが、ここでそういう話をなさるって事は、お支払いの意思が無いという事ですね。了解しました。結構です。』と伝え、電話を切りました。
自分が払うタイミングでお金の話をする人って、そもそも払う気が無いんだと思います。
不動産屋さんのケース
他にも、電話で金額などの条件を伝えていたにも関わらず、『他の就労支援に頼んだ時はこの金額でやって貰ったんだけど』など、請求書を出してから言ってくるケースもあります。
『なるほどー、そのパターンで来たかー』という感じです。
来年は他の所にご依頼してください。
俺の愛車に何してくれてんねんのケース
過去に一番面倒だったのが、洗車のクレームです。
その車はいわゆる改造車で、全塗装などが施されていて展示会にも出展しているとの事だったのです。
そんな事は事前に伺っていなかった為、通常通りに洗車にお伺いしたのですが、車を見て直ぐにその車種に無い色だと気付いたので、オーナーさんに聞いた事で発覚したのです。
『デリケートなお車はー』とお断りしたのですが、『大丈夫。今度またコーティングとかやる予定だから』との事で洗車開始。
初回、二回目とご依頼を頂き、何のクレームも無く作業をしていたのですが、ある日『おたくの洗車で傷が入ってる』と電話がありました。
僕は急いで現場に向かいましたが、電話の内容を伺う限り、どうも腑に落ちない内容です。
最初は『バケツをぶつけたみたい』と言っていたのに、『どんな傷ですか?』と聞くと『タオルで擦った様な』と二転三転。 先ずは現車を確認する為に向かいました。
すると、どう見ても ”傷” とされてる部分はクリアコーティングの下です。
もちろん、超微粒子の研磨剤で研磨しても落ちるはずがありません。
表面もザラザラしておらず、どうしようも無い事と、ウチの作業による傷でない事を説明しますが『納得できない』と。
そこで、『最初に仰っていたバケツを当てたとされる傷はどこですか?』と聞くと、
『ここ』と差された部分が、何と『タオルで傷が付いたと』される個所。。。
もうね、矛盾が凄いんですよ。
結果は、全塗装を請け負った鈑金屋さんの下処理が悪く、サンダーの跡が浮いていただけなんです。
その後はお断りさせて頂いています。
まごころ溶剤は市販の除草剤より劇薬のケース
『先週末に洗車を頼んだんだけど、洗車が終わって数時間後に畑見たら近くに植えてたパセリが枯れてた』と。
はい。できるだけ早くお伺いしますね。
もうね、今日はどんなお話が聞けるのか、向かう途中はニヤニヤしてますよ(笑)
着いて直ぐに奥さんが、『洗車後の数時間で枯れるってどういう事!?』って聞いて来たので、僕は逆に『どういう事です?』って聞きました。
奥さんの主張は、『水を少し貸してくれないかと言われたから貸したけど、変な物を流した可能性がある』と。
いや、確かに汚れが酷く、持参した水では足りなかったからお借りした様ですが、その際はバケツに水は足していますが何かを流してはいません。
奥さんは、『農家の人に指導して貰っていて、凄く良い土ができている』と胸を張りますが、気になるキーワードを口にされたのを僕は聞き逃しません。
『しっかりとコンクリートを打って、花壇を作ってるんで』って。
おや?それってキチンと排水されずに根腐れを起してるのでは?
僕は、率直に聞きました。
『それって根腐れしません?農家の方が農地にコンクリ打ってるなんて聞いた事ないんですけど?』と。
しかし奥さんは『農家から指導して貰ってるから間違いない』と譲りません。
ならば、百歩譲って『土は良い』としましょう。
しかし、僕が疑問に思っているのはもう一つ。
『数時間後に枯れていた』という点です。
優秀な除草剤であるラウンドアップを用いても、しっかり枯れるのに1週間は掛かります。 これは奥さんも激しく同意してました。
なのに、まごころ溶剤がそれを超える除草能力があるのかと。
それほどの効果がある薬剤は、正直言って劇薬ですよね(笑)
そんな劇薬を車に散布したり、素手で作業するなんて恐ろしくてできません。
『朝まで元気だったパセリ』が『何故か洗車後数時間で枯れた』っておっしゃっていましたが、『洗車』と『数時間後に枯れた』を結び付けるのはそーとー無理があると思いますし、それを伝えました。
『ガソリンスタンドでバイトしてた息子に聞いたけど、結構強めの薬剤も使ってると言ってた』となかなか引きません。
僕は、『ウチは洗車に特化してますし、特殊な材料は職員のみの取り扱いです。しかも、今回はそのご依頼は頂いていないので、その心配もありません。』と話しますが、『隣に植わっているジャガイモが心配だ』と。
もうね、それ言われても、ヤシの実由来のカルナバワックスの安全性を伝えるしかありません。
僕は奥さんを諭します。
『奥さんが畑とされてる花壇ですが、農家の方の指導を受けられて、良い土になってる事は僕も聞きました。 しかし、数時間で植物を枯らす様な劇薬は使用していません。 何故なら、車への影響は然り、そんな劇薬は間違いなく人体にも悪影響を及ぼします。溶剤のベースはヤシの実由来のカルナバワックスです。これは美容液にも使用されています。 ですので、今回の ”パセリ枯れた” に関して何かしらの補償はできかねます。』とお伝えしました。
『後、その日の朝も水をやって、と仰っていましたが、排水できてない水は溜まりますから、根腐れの可能性は捨てないで下さいね』と釘を刺して終了です。
農家の指導と受けている割には土は痩せていました。
触っても少し硬く、指に土が残る程の粘土質。
果たして、その農家さんは本物で、何を専門に栽培していらっしゃるのでしょうか。
という様に、多種多様なクレームを頂きますが、『ちょっとこれはなー』という内容の場合、次回の依頼はお断りさせて頂いています。
まだお支払い頂いて無い場合、お金はいりません。