平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

本日、2月15日を持ちまして、SIC合同会社は3周年を迎えました。

お陰様を持ちまして、本日でSICは3周年を迎える事ができました。

 

平成30年の2月15日。

 

妻と二人で大分市の法務局まで出向き、登記資料を申請した事を、今でも鮮明に覚えています。(その後二人でお祝いのステーキランチした事も)

 

申請資料の作成時にも、色々と自分で考えなければならない事が多かったのですが、これから ”社長になる為の訓練” と考え、全てを一人でやり切ったのもいい経験になりました。

 

本来、合同会社を登記する際には、6万円の登録免許税が掛かるのですが、大分みらい信用金庫の石垣支店さんのサポートの下、免許税が半額の3万円になる仕組みを学ばせて頂き勉強になりました。

 

 

絶対に諦めない

 

それでも、創業後には思いもよらない試練の連続でした。

 

B型スバルの指定申請を依頼していた行政書士が四か月の蒸発。

必要書類を渡していた事もあり、他の行政書士に依頼する事もできず、その事により許認可が半年遅れ、その間、月の固定費120万円を垂れ流し状態。

指定取得後も、知名度の低さとハードな作業内容が足かせとなり、新規利用者さんの獲得に苦戦しました。

 

毎月膨らむ借金に、迫る返済期間。

 

溜まる請求書に順序を付け、期限を延ばして貰えそうな所にはとことん頭を下げました。

 

僕が、このSICをどうしても守りたかった理由があります。

 

それは、『障がいのある方々に、一つでも選択肢を増やしたい』という思いがあるからです。

 

大分県内でナンバーワンの高工賃を目指す』事を理念に据え、他の事業所では取り組んでいない事業に積極的に取り組み、創業当初から、フリースペースの貸出や買い物代行事業などを行いましたが、その中でも『出張洗車サービス』に出会った事が、大きな転換期となったのは間違いありません。

 

 

 

弱みがストロングポイントになるまで粘る

 

『スバルの仕事は大変』という認識が、これまでは足かせになっていましたが、逆にその事が相談員さんに根付いた事が、今のスバルの最大の強みだと感じています。

 

この”狭き門”をくぐってくれた皆さんは作業能力が高く、洗車に関してもマンション清掃に関しても、とても高い評価を頂ける事業に成長できました。

 

初めから、『これしかできないだろう』と決めつけるのではなく、『こんなんあるけどやってみる?』というトライを続けることで、一人一人の特性に気付けるチャンスにも繋がりました。

 

結果として、特性に応じた事業が増える事となり、収益性も高まり、高工賃を実現する事ができたのです。

 

開所した直ぐは、見学に来られた方の多くが『大変そう。。』と二の足を踏まれましたが、結果的にそこがウチの強みになったという事です。

 

 

従業員さんに恵まれた

 

新規の利用者さんを募集する事も大切な業務の一つではありますが、何より大切な事が来てくれた利用者さんに対して、適正なサービスを継続して提供できる環境の整備ですが、そこに絶対欠かせない存在が従業員さんです。

 

まだまだ十分な給料を支給できるまでになっていない弊社にとって、高額報酬を希望される方はその時点で対象外となります。

 

ただでさえ、福祉業界は人材不足が全国的に騒がれている時代です。

 

ウチでも最初の頃は『いい人材を』という思いから、周囲と同等かそれより少し高い給料設定にしていました。

 

しかし、固定費の増加は経営基盤を更に弱くしただけでなく、同業からの転職組からは『こんな作業は他のB型には無い』とか、『こんな仕事をB型でやるべきでは無い』などと言われ、定着しない事で更に経費を圧迫する結果に。

 

幸いな事に、利用者さんは増加傾向にあったのですが、従業員さんが定着しなかった為、僕が管理と現場の両方を一人でこなす事になり、経営者としての仕事が手に付かない事態になりました。

 

そんな折に応募してくれたのが、現在の従業員さん達です。

 

僕と妻を除く5名の従業員さんで、就労支援事業所経験者は1名だけという、恐らく他社では考えられない布陣だと思います。

 

しかし、これこそが ”スバルの多様性” を生み出す事となり、”利用者さんの多様性” への対応に適していると思います。

 

まだまだ成長の余地はありますが、もう3年、まだ3年との思いで、毎日をコツコツと積み上げていきたいと思います。