平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

要領の良さはいらない

今、ウチの事業所で起こっている問題と言えば、職員さんと利用者メンバーの間にわだかまりがあったり、利用者メンバー同士で確執があることです。

 

『あの利用者が職員から気に入ら(優遇さ)れてる』

『職員にしか話していない事が他に漏れている』

『特定の利用者には口調が厳しい』

『職員が一緒になって利用者をちゃかしてる』

『どこか利用者を下に見てる』

 

そんな声が聞こえるのも、ここ一年くらいで職員さんが総入れ替えが起こった事に由来すると思います。

 

実際の所、今の職員さんが一人、また一人と入ってくれるまで、現場は僕一人で回していました。

 

『いつか、利用者さんが増えた時の為に仕事を確保しとかなきゃ』という思いだけでやっていました。

 

結果として利用者さんが増え、職員さんも増えたのですが、お陰様で現場の数でいうと人手が足りない位です。

 

しかし、反省点とすれば、社員教育に割く時間を確保しなかった事。

 

トントンと利用者さんが増え、職員さんが増え、何とかお金が回り始める中で、送迎や業務をそのままバトンタッチしていきました。

 

”仕事のやり方”は教えましたが、知的や精神に障害のあるメンバーへの接し方だったり、話し方やアプローチの仕方を教えていませんでした。

 

 

そんな状況が続くと、どうしても ”仲良しグループ” ができてしまいます。

 

自分の都合の良い人とだけで固まるというやり方ですよね。

 

 

そうなると、作業内容も ”自分のお気に入りには楽をさせたい。” そんな思いが生れても不思議ではありませんよね。

 

僕は、この仕事に大切なのは ”愛情” だけだと思います。

 

それも、平等の。

 

誰が失敗しても、誰が成功しても同じように褒める。

 

 

一回目で失敗した事を、二回目で成功出来たら三倍褒める。

 

ちゃんと、その人の本質をしっかり見極めることができれば、感情暴露してる人の気持ちも手に取る様に分かります。

 

でも、その本質を見極められる自分になろうと意識して、日頃からその努力をやってないと、いつまで経ってもその見極めって意外とできないものなんです。

 

そうすると、要領で仕事をしちゃうんですよね。

 

 

 

現実的に言えば、利用者さんはお客です。

 

そして、その利用者さんにサービスを提供するのが職員さんの仕事です。

 

 

一緒に作業をしてれば、どうしても仲間意識が生れるのは仕方の無い事。

 

 

でも、彼らには障害があります。

 

敏感だったり鈍感だったり、何回言っても伝わらなかったりします。

 

 

就労支援で一番難しいのが、さっきも書いた ”愛情” を常に持ち続けることです。

 

愛情って書くと、なんか崇高な思いみたいに捉えられると嫌なんですけど、普通に自分の妻や夫や親兄弟や子供に向ける、その愛情なんです。

 

『記念日だから飯に行こうか』

『これが好きって言ってたよね』

『今度、休み合わせて出かけようか』

 

という言葉の中身は紛れもなく愛情です。

 

かと言って、職員と利用者さんで食事に行ったり、何かをプレゼントしたり、休みを合わせるのは厳禁です。

 

 

真っすぐにその人の良さを見る。

 

真っすぐに、間違ってる事を指摘する。

 

真っすぐに、その人の事を思う。

 

 

それだけじゃないかなー。