平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

キャッシュフロー経営の難しさ

7月に単月の黒字を出して以降も苦しい経営は続きましたが、今月に入り何とかキャッシュフローが回る予想になりました。

 

お金が出るタイミングと入るタイミング。

 

これがなかなか噛み合わず、単月黒字でもキャッシュフローは赤字という状況がずーーーーーっと続いていました。

 

月初から月の中旬まで手元にキャッシュが残らず、その間の支払いは借り入れで何とかまかない、月末にまとまった収入が入った時に返すというやり方です。

 

これでは瞬間的に黒字になったとしてもすぐに赤字に転落します。

 

これを解消する為には大きな借り入れをするか、自力で瞬間的にでも売り上げを急激に伸ばす必要があります。

 

要するに、売り上げを瞬間的にでも上げる事ができれば回る訳ですが、なかなかそうもいかないのが経営の難しい所です。

 

例えばですけど、月商が200万円あったとしましょう。

 

内訳は

保険収入が160万円

事業収入が40万円

という場合、保険収入は中旬にまとまった収入として入ってきますが、事業収入は月初に請求書を発行してから月末にかけてボチボチ入金されます。

それも20日~末日にかけてバラバラと。

 

この場合の毎月の全ての経費が170万円かかってる場合には、保険収入だけでは月末月初の支払に余裕がありません。

本来ならば、30万円の純利益が残ってるはずですが、保険収入で足りない10万円をなんとかしないといけないという状況に陥るのです。

 

これがキャッシュフロー経営の難しいところ。

 

事業収入が入ってくるタイミングはバラバラで、しかも支出のタイミングもバラバラ。

 

特に、月初に支払わなければならない分に関しては地獄です。。

 

数字上では黒字が出てるのにキャッシュが回らない。。

 

例えば手持ちに20万円あっても、早いタイミングで引き落とされる額が22万円だった時には遅延となってしまいます。

 

キャッシュにほんの少しでも余裕があれば。。

 

この部分でずーっと苦しんでいましたが、それが今月でようやく解消される見通しになりました。

 

7月に立てた売上が入ってくるのは9月中旬。 しかし、7月に立った支払いは8月中。

 

地獄の半月を埋めるのに約一年掛かりました(笑)

 

とにかく借り入れで足りない分を補填しつつ、しっかりと事業を拡大していきその溝を少しずつ埋めていきます。

その間にも色んなところに頭を下げて、支払いのタイミングをずらして貰いつつしのいでいくしかありませんでした。

 

社会保険事務所さんにも色々とご迷惑をおかけしましたが、これからは何とか支払いが進みそうなので一生懸命払っていきたいと思います。

 

「早く貰って遅く支払え」とは先輩経営者から厳しく言われてきた事ですが、これは本当にキャッシュフロー経営の基本だと思います。

 

その上で、いかに会社として太り過ぎないか。

 

これにも起業家の先輩から叩きこまれた助言があります。それが、

「創業時に応接セットを買ってはいけない」という事です。

 

その先輩は、会計事務所を若い時に立ち上げましたが、わずか1年で廃業に追い込まれた経験をお持ちの方です。

 

その先輩は、会計事務所に勤めていた事もあり、創業時には既に少し足りない位の顧客がいて、地道に営業すれば直ぐに軌道に乗ると考えていたといいます。

 

その為、銀行からもお金を引っ張ってこれたので、その資金で立派な事務所を構えたそうですが、顧客は増えるどころか横ばいの状況が続き、廃業前には元々いた顧客の数件は他の会計事務所に奪われてもいました。

 

その時に重くのしかかったのが、創業時の借り入れだそうです。

 

顧客獲得の為には営業活動が欠かせませんが、資金が枯渇する一方ではそちらに資金が回せず顧客の流出まで招いてしまったそうです。

 

例え、創業時に顧客がいたとしても、先々の見通しを甘く見てしまったというのが教訓です。

 

その先輩は、銀行さんに再融資を申し込んだ際にはこう言われたそうです。

「貸すも支援なら貸さぬも支援だ」と。

要するに、貸したことで本当に事業を発展させられるなら貸すけど、自信がないなら今が辞め時だよと。

 

先輩は、ここで廃業を決意されたそうです。

 

 事業を拡大する為には人とモノが必要です。

 

その為にはお金が必要になります。

 

拡大のスピードと人とモノを増やすタイミングを間違えると、キャッシュフローは一気に悪化してしまいます。

 

この一年間はキャッシュフロー経営の大切さと難しさを同時に学ぶことができ、とてもいい経験になりました。