平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

就労支援事業の地位を上げたい。

ウチも平均時給は500円を超えていますが。。

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こちらのチョコレート工場が ”就労継続支援A型” でやっていない事に、福祉就労の実態を見る事ができると感じています。

 

 

 

というのも、こちらのオーナーさんも『愛知県の最低賃金である1,026円を目指したい』と仰っていますが、現実は500円。

 

 

 

『じゃあ、商品を値上げすれば良いんじゃないの?』と思う方もいるかも知れませんが、逆に言えば『福祉事業所がやってます』っていうだけでその価格を受け入れられます?

 

 

記事にもあった様に、工程を細分化する事でできる作業を増やし、できるかぎりの適材適所で配置を行う為、どうしても関わる人数が実質的に増えてしまうと。

 

 

 

『関わる人数が多いので、他の店より高くなりまーす』と。

 

 

 

なかなかそう簡単にはいきませんよね。

 

 

 

 

 

世の中の風潮としては、まだまだ

 

 

『障害者が作ってるんだから安いんでしょ?』

 

 

 

という雰囲気がありますよね。

 

 

 

 

事実として、人材不足の業界であっても福祉就労施設に作業を依頼する際には

『少しでも安くしてもらおう』

というのを強く感じます。

 

 

 

 

一般的に募集する際には

『こんな時給じゃ来てくれないからもっと上げろ!!』

となっていてもです。

 

 

 

 

結局、福祉就労である以上は雇用契約を結ぶ事を前提とした ”A型” は、日本においては不向きな制度なんです。

 

 

こちらのチョコレート工場だって、A型でやれば利用者さんを半分以下に減らさないと採算が取れない事になります。

 

 

でも、利用者さんを減らせば事業所としての給付金が減り、経営が成り立ちません。

 

 

 

じゃあ利用者さんが増えれば良いのか?

 

 

 

 

しかし、現実はそんな単純じゃありませんよね。

 

 

 

ルール的にも、チョコレートだったら販売価格から製造に必要な原価を差し引いた利益分からしか、給料にあたる工賃を支給してはいけない事になっていますからね。

 

 

 

 

国は今まで給付金からの給料(工賃)支給を ”グレー” として強く禁止してきませんでした。

 

 

 

しかし、ここ数年でその縛りを強くした結果、A型は大量に廃業に追い込まれ、あぶれた利用者さんは泣く泣く ”B型落ち” したのです。

 

 

 

それでも一度進みだしたら止められないのが国の恐ろしいところ。

 

 

 

国としては、『制度としてA型がある以上、ちゃんと推進しなさい』なんて事を言ってきます。

 

 

 

その結果、地方自治体は『B型を作りたい』という事業者に対して

 

『A型併設なら良いよ』

 

 

なんて言ってくる始末。

 

 

 

福祉就労はそんな単純じゃないんですよ。。

 

 

 

毎日の利用人数に冷や冷やしながら利用者さんに提供する作業を準備し、ちょっとした事で感情を取り乱す方への対処をしつつ、病んで通所できなくなった方をフォローする。

 

 

 

もっと何とかなるはずです。

 

 

 

こんな難しい事業で経営が不安定ってヤバいと思うんですが、国はそのヤバさに気付いていないんですよ。。

 

 

 

大きな転換期が来ないと、本当にヤバい事になると思います。