平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

福祉系事業者のリスク

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業界別に見れば割合的には多くないのかも知れませんが、公金が主な収入源になっている福祉事業者の倒産が増えたという事は見過ごせないと思います。

 

 

前にも書きましたが、この業界を余りご存知ない方からは『杉ちゃんの会社って補助金で賄われてるの?』と聞かれるのですが、その裏には『税金で経営できるなら安泰だよね』という勘違いがあります。

 

 

 

この様に ”倒産” があるという事はその他と同様に ”営業努力” や ”企業努力” が必要です。

 

 

 

ウチの会社が他の同業他社よりも経営が難しい原因が創業時に行政書士が蒸発するという事態になり、指定申請が半年も遅れた事による運転資金の過剰な借り入れが発生した事が原因ですが、かと言ってそれを理由に従業員さんへの福利厚生を削って良いかと言えばそれはまた別の話です。

 

 

 

物価上昇分以上の賃金上昇もやりつつ、期末手当も事業の成績に応じて何とか捻出しましたが、正直なところ福祉系は ”事業リスク” が余りにも高すぎるなーとつくづく感じてます。

 

 

 

以前、僕はこの就労系事業を ”水商売と同じ” と言っていましたが、今回のコロナに関しては実は飲食系より経営が難しかったのではないかと感じています。

 

 

 

というのも、飲食系には『時短要請』や『営業の自粛』による給付金が充実していたり、『前年度よりも売り上げが下がった』事を条件に手厚い融資が行われましたよね。

 

 

 

しかし、福祉系事業所でこの手の給付金が十分に受けられた事業者って本当に少なかったんです。

 

なぜなら『時短要請』も『自粛』も対象外だったから。

 

 

 

デイサービス事業所は入浴支援などで手堅い通所を確保できますが、それでも『回数を減らしましょう』なんて事になるだけでも影響は少なくありませんし、入所系施設でもクラスターが発生してしまえば従業員さんを減らさざるを得ず、加算が取れなかったり入所者が入院になればそもそもの事業給付金も目減りします。

 

 

 

 

 

実は別府市内のB型事業所でも『倒産の危機』を耳にしました。

 

 

 

 

それは別府という観光地特有の問題でもあるのですが、かなり多くの事業所がお土産の製造に関わる内職系の部分を担っていた為、観光関連が止まれば作業が無くなってしまい、利用者さんが通所できない状況に陥ってしまったのです。

 

 

 

 

これは正に『就労B型一本足』な上の『お土産内職一本足』という経営が招いた事態と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

何とか今年を中空飛行で乗り越え、次年度には何かしらの仕掛けができるようにしっかと体力を蓄える一年にしたいと思います。