以前から気になっていた事の一つに、『女性の取締役の数(比率)を海外並みに高める』というものでした。
僕は、その方針に懸念しかなく、理由は『数を追って中身の無い登用が始まるのでは?』ということでしたが、残念ながらこの記事を読む限り的外れでも無かった様です。
ここ最近、女性タレントが大企業の ”社外取締役就任” という記事を頻繁に目にしました。
中には(と言うかその殆どが)経営者としての ”実績ゼロ” の方も多く含まれていて、『なぜその人じゃなきゃダメなんだろうか?』と疑問に思っていました。
企業は、初めから ”広告塔” の役割しか期待せず、”会社の更なる発展” や ”コーポレートガバナンスの強化” を目的としているとは到底思えません。
この、名ばかり社外取締役について、僕が最大限に懸念する事と言えば、就任したタレント取締役と、タレントを起用した企業とのギャップが露呈する事です。
登用された側の中には、『本気で会社を良くしたい』と思う人もいるはずですが、会社側がそれを全く望まないケースです。
社外取締役として意見を述べたとしても、『よそ者に何が分かるんだ』や『女のクセに余計な口出しはするな』など、封建的で旧態依然の古いタイプのおじさんとの間に軋轢が生れると思うんですね。
そうなると、どっちも不幸なんです。
いや、どっちもではなく、”女性だから” と登用された社外取締役が不幸になります。
『何で女性の取締役が少ないのか?』
この根本的な議論をすっ飛ばして、”人数” とか ”比率” の数字目標だけ立てちゃう所が問題の本質ですよね。
不幸な人を生まない為にも、もう一度 『何の為?』を考えて欲しいものです。