平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

一本足経営からの脱却

今日も仕事がてんこ盛りですが、週末も忙しくなりそうなので今のうちに。

  

SICはご存知の通り「就労継続支援B型スバル」を運営しているのですが、そろそろこの一歩足経営から脱却したいという思いからA型を検討し始めたというのが本音です。

 

会社は、黎明期を抜けると成長期に入り、頭打ちになったところで安定期に入ります。

 

しかし、この安定期の次には衰退しかなく、常に成長を続けないといけません。

 

その上で成長を続けて行く為に欠かせないのが「一本足経営からの脱却」です。

特に、指定を受けて実施している今の事業の特性としては国が親方となっていますので、お上の胸三寸で全てが決まってしまうという非常に不安定な事業となっています。

 

緩和されて参入障壁が下がるのは大歓迎ですが、そうなると必ず出てくるのが金儲けだけが目的の事業所です。

彼らが出てくると、その後は必ず規制が厳しくなります。

 

この様に、自分たちの経営努力だけではどうにもならない部分が存在する以上、高度な安定経営は期待できないのです。

 

となると、先ほども出てきた「一本足経営からの脱却」がより重要性を増していきます。

 

僕が取締役を務めていた以前の会社でもこの一本足経営からの脱却を試みた結果、業績は7年間右肩上がりで成長を続け、事業を分散化したことでリスクヘッジもできました。

 

以前の会社は訪問介護事業を中心に事業を行っていましたが、創業から3年目には月額報酬請求額が900万円近くにも上っていたのです。

売上がうなぎ上りに上がっていったのには幾つかポイントがあります。まず

一つ目が 障害者に特化した訪問介護が少なかった為、ニーズを捉えられた

二つ目が 景気が不安定だったため、人材確保が容易であった

三つ目が 利用者さんを従業員として雇用していた為、月間の訪問時間が十分に確保できた

 

となると、社内は当然ながら「一気呵成にどんどん伸ばせ!!」との大号令が響きましたし、当時訪問介護事業を取り仕切っていた本部長も「月額1,000万円を必ず達成して見せます!!」と息巻きます。

 

しかし、数字には必ず理由があります。

 

それを読み解いていくと、危険な落とし穴が潜んでいる事に気付いたのです。

 

それが、‟大口の利用者さんが数名含まれている”という点です。

 

内部外部含めて、月額の請求額が70万円~120万円にまで達している利用者さんが6名も居たのです。

そうなると、その6名で月の売り上げの実に66%をたたき出している事になります。

 

これは危ない!!と社内で一人だけ叫びましたが誰の耳にも届きません。

 

しかし、もし利用者さんが2名でも入院ないし利用停止した場合にはどうなることでしょうか。

 

介護職員さんも確保していて、車輌も揃えて固定費がガンガン上がってます。

 

しかも、障害者に特化したサービスを展開しているため、小口の高齢者の獲得はほぼゼロ状態。

 

そんな中で、これからも障害者サービスに特化するのであれば、月額10万円程度を利用する小口の利用者さんを10人確保する必要があると踏みました。

しかし、これは直ぐに達成できる訳でもありませんし、なんなら新規の利用者さんを募集すれば大口が申し込んでくる可能性すらあります。

 

そこで僕が常に言い続けたのが ‟ダウンサイジング” です。

 

もう、その頃には職員さんのお名前を全員分覚えられない程に増え、また入れ替わっていました。

 

そうです。もう管理できない状況になっていたのです。

 

こうなると、新しい事業を始めるなど社内を細分化し、各部署にマネージャーを置くことで対処するしかありません。

 

実際に、新事業として放課後等デイサービス事業を始めたのですが、この事により事業の細分化と一本足経営からの脱却が出来たのです。

 

半年もしないうちに訪問介護の売り上げが600万円まで下がった事もあり、新事業を始めていたのは本当に救いでした。

 

この経験からも、現在の一本足経営から脱却したいと強く考える様になったのです。