時は金なり。
とは、ベンジャミン・フランクリンさんの格言ですが、よく言ったものだと尊敬してます。
元々は、「時間はお金と同じくらい大切だから浪費するなよ~」という
自分への戒めの意味合いらしいのですが、これは他人の時間についても当てはまると思うんです。
「人に頼みごとをする。」
「お願いして集まって貰う。」
この様な場合も、その相手の時間をこちらの都合で使っている訳です。
ですから、例えば僕が講師として呼んで頂いた時も、お話をさせて頂く冒頭には必ず「本日はご参加頂いた皆様の貴重なお時間を頂戴し、誠に有難うございます!」と言ってから話を始めます。
これは、常套句などではなく、本心で言っています。
確かに、僕は呼ばれた側かも知れません。
しかし、僕が話す言葉を聞くだけでも、その人の時間は “消費” してしまいます。
なので、これをただの “浪費” にする訳にはいきません。
その時間を “良い投資をした” と思って頂ける様に、用意周到に準備し臨みます。
消費した時間を 浪費と感じてしまうか 投資と感じて頂けるか
これは大きな差だと思っています。
そんな面倒くさい性格の僕は、本当に稀ですが自分の時間を無用に使われそうになった時に、それを拒否する事があります。
以前こんなことがありました。
ある大手の子供用品小売店に家族で買い物に行ったところ、
季節の変わり目という事もありセールが開催されていました。
セール品は棚一面に掛かっており、息子のサイズとピッタリな服も沢山ありました。
いつもより買い込んで自宅に戻り、妻がレシートを見直していたところ
値札に表示されている金額よりも、レシートに記載されている金額の方が高い事に気付きました。
その差額は、商品3点で約1,000円。どうやら値札は半額表示だったのに、バーコードでは半額登録されていなかったようです。
そこで、お店に電話して事情を説明したところ、
少し待つように促され待つこと約5分。
やっと戻ってきた女性従業員が僕に言った言葉が、
女性「お客様申し訳ありませーん。今、同じ商品で確認させて頂いたところ、こちらが登録ミスしていたみたいでー」と。
うん、それは知ってます。
女性「それで申し訳ないんですけど、商品とレシートを持ってもう一度ご来店頂けませんかー?処理をして差額を返金させて頂きますのでー。」
と。
え?
待て待て。
こっちから電話かけて既に10分以上経過してますよ。
電話代を使ってまでそちらのミスを指摘してます。
なのに、今度はガソリンと時間を使ってまで、こちらが払い過ぎたお金を取りに行かなきゃなんないと。
こみ上げてくる何かを抑えながら
僕「あのですね、そちらのミスでこっちが払いすぎてるのに、取りに来いっていうのはどうかと。。」 というと、店員さんはまだ食い下がります。
女性「しかし、レジでの処理をしないと返金が。。。」
僕「それはそちらの都合ですよね?」
そんな問答が7~8分、合計で10分以上続いたと思います。
自社のシステム上の問題を理由に、持ち込むことを譲らない女性。
向こうのミスなのに、往復40分以上もかけて払い過ぎたお金を取りに行かなければならない事への憤り。
僕は吐き捨てる様に言いました。
僕「完全に大手病にかかってますね。今までのお客さんは、同じことを言えば何も言わずに持ってきてくれたかも知れませんけど、そのお客さんは満足していると思いますか? もし、ウチの社員が同じようなミスをして余計にお金を頂いたのであれば、返金に行くように僕なら指示します。」というと、
そして漸くして、
女性「分かりました。社員と相談してまた折り返しご連絡差し上げていいですか?少しお時間頂戴すると思いますが・・・。」と。
その女性が何とも納得していない感じがビンビンに伝わってきて、何ともやるせない気もちになりました。
それから1時間以上が経過してから、男性社員さんから電話があり、一通りの謝罪のお言葉と返金に来てくれるとの回答を頂きました。
電話口でも社員さんが平身低頭謝罪をしてくれたので、お金を受け取った時にはスッキリしていましたが、最後に一言だけ
「サービス業であることを、パートさんにも教育していただけると幸いです」とお伝えしました。
しかも、これに似た出来事が携帯会社でも最近ありました。
やっぱり大手さんですよね。
自分が間違ってお客さんに渡してしまった書類を、持ってきてくれと。
人を動かすとお金が掛かって当然です。
時給を貰って仕事をしてるなら、その業務の一環として取りに来るのが当たり前ではないでしょうか。
何故、人の時間を無駄に使えるのでしょうか。
確かに、お金は見えていないかも知れません。
でも、そこは意識するべきことだと、僕は思います。