平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

障害者施策の矛盾点と無根拠さを何とかして欲しい

ヤフーニュースに掲載された昨日から一夜明け、穏やかな秋晴れの朝を迎えました。

 

今朝も、超新鮮な朝採れ野菜が店頭に並んでいます。

 

中でもお勧めは

 

里芋150円~と大根70円です。

 

里芋は、調理する時に手が痒くなるので注意が必要ですが、その痒さが美味しさと新鮮さの何よりの証拠。

 

豚汁にすると絶品です。

 

その豚汁にめちゃくちゃ合うのが大根です。

 

まだちょっと小ぶりですが、無農薬で手塩に掛けた大根は歯ごたえも良く、甘みもあって絶品です。

 

 

全国配送できませんので、ぜひ店頭でお買い求め下さい。

 

 

 

さてさて、野菜のPRはこのくらいにして表題の件です。

 

 

[矛盾点]

 

 

先ずは矛盾点から書いてみたいと思います。

 

障害者手帳療育手帳をお持ちの方が、入居型サービス(ショートステイグループホーム)を利用したり、通所型サービス(デイサービスや就労支援事業)の利用を希望する際は、各市町村への申請が必要です。

 

利用希望者は、そのサービスを初めて利用したいと考えた時には、各市町村の高齢福祉課または障害福祉課へその旨を伝えます。

そうすると、利用希望者が居住しているエリアのケアマネージャーさんや相談支援専門員さんを紹介されて面談をし、ケアプランの作成を行い、行政から支給量の決定がなされてから利用開始となります。

 

 

ここでは、ウチがB型なので、療育手帳をお持ちの方が障害福祉課へ就労支援事業の利用を希望した場合をケースに挙げてみます。

 

以前の記事にも書きましたが、障害者が通所施設を利用した場合、市町村は事業所に対して、その利用日数に応じて給付金を支給します。

 

例えば、Aさんが月に15日間通所した場合には、一番低い単価で562単位/日(大分県は5620円)となる為、84,300円が事業所の運営費として給付されます。

 

しかし、この給付金の財源はというと、各市町村という事になりますので、支給量が多い(月に施設を利用しても良い日数が増える)と、必然的に市町村の財源を圧迫する事になります。

 

という事は、必然的に支給量を減らしたいという意向が働くため、後々に「支給量を増やして欲しい」と言っても、そう簡単には増やして貰えないという現状があります。

 

 

これが正に矛盾点で、利用者さんも施設を利用し、作業をしなければ工賃(いわゆる給料)は増えません。

 

しかし、施設利用日数が増えれば財源を圧迫しかねない為、市町村は支給量を抑制しなければなりません。

 

しかししかし、今年度の法改正により、事業所の給付金は利用者に支給した工賃の平均によって算出される為(先ほどの562単位~645単位まで幅があります)、より多くの給付金の支給を受ける為には高工賃を実現する他にありませんが、支給量が少ないと作業が出来ない為、工賃支給額が必然的に下がります。

 

国は、平均工賃を上げたい意向がある。

事業所は、給付金を増やした意向がある。

利用者は、工賃(給料)を増やしたい意向がある。

しかし、市町村は、支給量を減らしたい意向がある。

 

という具合になっています。

 

指定申請は各都道府県に出しますので、許認可も都道府県知事からのものになります。

 

しかし、財源は市町村。

 

国も、施策としては工賃アップを謳う。

 

市町村は押し付けられて苦しい。

 

こんな構図が見えてきます。

 

かといって、国もやみくもに市町村に押し付ける訳にもいかないのか、次のテーマでは地方自治体に向けた国の忖度が働いた法律を紹介しますが、これが正に机上の空論と申しますか、無根拠な政策になっているのでご紹介します。

 

 

[無根拠さ]

 

 

国も、地方自治体への配慮をしているのでしょうか。

 

今回の平成30年度の法改正で、これまでは定員数に応じて段階的に支給してきた給付金を、平均工賃の額に応じて支払う仕組みに変えました。

 

要するに、利用者さんに対して、より多くの工賃を支給できる仕組みのある事業所に対し、より多くの給付金を支給するというものです。

 

ここだけ見れば、僕個人的には大歓迎ですし、特段、地方自治体への配慮は伺えません。

 

これまでの様に、事業所は低工賃でも人数さえ揃っていれば高い給付金が得られていたこれまでと比べると、利用者さん本位の法改正とも言えます。

 

しかし、ここにはこんな文言があります。

 

なお、実績が出せない事業所の安易な事業参入を防止するため、開設
後1年間を経過していない事業所については、現行より低い基本報酬
(別紙1の就労継続支援B型サービス費のそれぞれ(六)の単位数)を算
定する。
※ 基本報酬の区分は前年度の実績により決定するが、新規事業所につ
いては開設後6か月間の実績をもって基本報酬区分の変更を認める。
→「障害福祉サービス等の基本報酬の見直しについて」(別紙1)参照

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000193391.pdf

 

これです。お分かりですか?

 

高工賃を実現すれば給付金も増えると言いながら、開設後1年を経過していない事業所については現行よりも低い基本報酬を算定するとあるんです。

 

なんの意味があるんでしょうか?

 

現行よりも低い基本報酬にすれば、安易な新規参入は阻むことができる??

 

そもそも、新規参入を阻む理由は何??

 

 

高工賃が実現できる事業所の新規参入であれば、むしろ歓迎すべきではないのでしょうか??????????

 

 

ウチは、完全な新規事業所なので、この文章を丸飲みすれば半年後には所定の報酬が貰えるはずですが、それも安心して良いものか疑問が残るというか、不安が残ります。

 

第5 就労継続支援B型
就労継続支援B型サービス費(1日につき)
イ 就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)
(1) 利用定員が 20 人以下
(一) 平均工賃月額が4万5千円以上 645 単位
(二) 平均工賃月額が3万円以上4万5千円未満 621 単位
(三) 平均工賃月額が2万5千円以上3万円未満 609 単位
(四) 平均工賃月額が2万円以上2万5千円未満 597 単位
(五) 平均工賃月額が1万円以上2万円未満 586 単位

(六) 平均工賃月額が5千円以上1万円未満 571 単位
(七) 平均工賃月額が5千円未満 562 単位

 

ウチのスバルでの月額工賃は4万8千円を超えている為、本来であれば645単位が貰えているはずです。

 

しかし、先ほどの

実績が出せない事業所の安易な事業参入を防止するため、開設
後1年間を経過していない事業所については、現行より低い基本報酬
(別紙1の就労継続支援B型サービス費のそれぞれ(六)の単位数)を算
定する。

という引導を渡された事で、月額工賃が自動的に5千円未満の562単位となります。

 

その差、83単位。一日の一人あたり830円の違いです。

 

 

その根拠は何????????

 

 

利用者さんが、もし8人いて、それぞれが15日通所したとしましょう。

 

830円×8人=6,640円/日

6,640円×15日=99,600円

99,600円×6か月=597,600円

 

そうです。なんの根拠も無しに半年間で約60万円の減収となります。

 

適正な事業所運営を義務付けておきながら、根拠もなく報酬を下げる。

 

矛盾による無根拠。

 

いや、無根拠による矛盾です。

 

この事により、A型からB型へ移行した事業所の運営は行き詰まっています。

 

以前の記事にも書きましたが、今年度の法改正後、A型は経営が圧迫され、その多くがB型に移行しています。

 

しかし、B型に移行したところで待っているのは給付金の減額という措置。

 

八方ふさがりですよね。

 

また国が法定雇用率問題で障害者雇用率の達成に躍起になっているようで、ジャブジャブ税金を投入しようとしています。

 

何度も言いますけど、これでは効果は限定的ですし、必ず歪みが出てきます。

 

自分たちだけで考えずに、現場で実績を積んでいる経営者を有識者に入れて、抜本的に見直すべきです。

 

今のままでは、障害者雇用が進まないばかりか、絶対に後退します。

 

早くその事に気付いてくれることを切に願うばかりです。