平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

手元のキャッシュは借りてでも持っておけ

『手元のキャッシュは借りてでも持っておけ』

 

とは、とある先輩経営者からの助言です。

 

『え?借りるとか、借金増えるだけやし、なんなら金利が勿体ないし!!』

 

そんな事を言ってしまう人は『経営者でも何でもない』とまで仰っていました。

 

 

僕のお袋も、14、5年前まで居酒屋を経営していました。

その時、お袋がいつも口にしていた言葉が『借金は財産』です。

 

これは、むやみやたらに金を借りろという意味では無く、お金を貸してくれるという ”信用””財産” という意味です。

また、借りたお金を返済する事で更なる信用が付き、次に大きな買い物(設備投資)をする時や、いざという時の運転資金の確保が容易になると。

 

これは流石に個人商店も含めた ”経営” に関与しないと身に付かない感覚だと思います。

 

 

車は現金で買った方が良い人とそうじゃない人が居る

 

以前、支払い総額250万円の車をキャッシュで買ったという人からお話を聞きました。

 

そんな大金をどうやって準備したかを聞いたところ、若い頃からコツコツ貯めてたお金の一部(その当時彼は40歳)と、結婚後に始めた貯蓄とのこと。

 

彼の想定年収(人の財布を勘ぐるとか趣味悪い僕)からすれば、恐らく年間で50万円くらいは貯金ができると思いますし、そんな彼が若い頃からちょこちょこ貯めてたとなれば、そこそこの額になっているはず。。

 

とは言え、例えば貯蓄が500万円あったとしても、その半分は車代で飛んだ事になります。

 

250万円の車を所有するには、それなりの年間経費が掛かります。

 

そして、今回の様にコロナ倒産ともなると、先ず初めに解雇されるのはサラリーマンです。

 

1年間無収入で今の生活を維持できるほどの貯蓄がある人って、そうそう居ないと思うんです。

彼の場合、残念な事にその貯蓄があれば、一年間無収入でも生活できた可能性があったのに、その額を車で目減りさせてしまった事に勿体なさを感じたのです。

 

確かに、キャッシュで買えば名義は本人名義になりますので、直ぐにでも売却による現金化ができるので、資産とも言えるでしょう。

しかし、(傷や摩耗により)目減りしやすい資産を個人で持っていても、その価値は1~2年で毀損すると考えると、優良資産とは到底言えません。

 

 

金利は保険料と思え』

 

とは、これも前出の先輩からの教えです。

 

特にサラリーでの収入がメインの人にとっては、収入を少なく見せる(経費が多く掛かれば収入(いわゆる利益)が少なくなった事により節税に繋がる)必要性も低い為、いよいよ現金一本で買う理由が無いのです。

 

どうしても現金を支払いたいのであれば、税金(取得税・重量税・消費税など)分を現金でお支払いされるくらいで良いのではないでしょうか。

 

会社を経営していてつくづく感じる事が、『手元にキャッシュさえあれば。。』です。

 

先月まではキャッシュに比較的余裕があったのですが、今回のコロナの影響で売上が10%減少した上で、仕事が無くなったという友人を雇用したり、従業員さんの奥さんが雇い止めにあったためにコロナ手当を支給したりと、一気にキャッシュが目減りしてしまいました。

 

この様に、いつ何時どうなるか分からない中でも右往左往しない為にも、キャッシュが絶対必要です。

 

支払い遅れる→信用無くなる→いざという時借りれない=×

少額借り返済→信用付く→手元資金に余裕でる→いざという時借りやすい=

 

個人で言えば生活費、会社で言えば運転資金を銀行から借りて回さないといけない状況は、そもそも正しい状況とは言えないので、先ずは収入を増やしたり生活の質を変えるなどの努力が必要です。

 

でも、とりあえずでも今の収入で新たな借金をせずとも生活が出来たり事業を運営できているのであれば、そんな時こそ ”借り時” という事なのです。

 

今回のコロナの様な状況下では、お金が必要なのは自分だけではありません。

 

であるなら、資金需要がこれまでに無いほど高まってる今、すんなりと融資してくれるところなんてあるのでしょうか?

 

足りない時に融資を申し込むのではなく、足りてる時こそ融資を申し込む事が重要です。

 

銀行さんだって、危ない人には貸したくありません。

 

だから、銀行の融資担当者から ”お付き合い” の依頼があれば、直ぐに借りています。

 

だからこそ金利は保険料と思え』

という事で、借りられるうちに借りて、手元のキャッシュを潤沢にする必要があるのです。(手元にあるからって散財しちゃだめよ)