モチベーション。
高ければ作業効率は上がり、雰囲気も良くなり、売り上げも右肩上がり。
そんな妄想を刷り込まれたシャチョーさんは、社員さんを地獄の研修に派遣したり、『これを読め!』とビジネス本を勧めてきます。
とにかく、モチベーションという、架空の心理状態を上げる事にお熱になりますよね。
まず、理解してもらいたいのが、バブルは弾ける前提だから“バブル”って言いますよね。
モチベーションも同じで、下がる事が前提だから“上げる”必要があると思い込んでいるんです。
実は、“社員教育”って特別なセミナーを受講したり本を読んだりするのではなく、日常のコミュニケーションの中で行われるのが一番正しいと思っています。
それは、“本人が知りたい事に応えられる”事が大前提ですが。
本人が知りたい事に明確な答えを導き出す能力を、シャチョーさんが身に付けてないから、売り上げが上がらない理由を社員になすり付けて研修に出すと僕は思ってます。
さっきも書きましたが、上がったモチベは下がります。
だって、上がってるから。
ウチの会社の特徴の一つが、朝礼をしない事です。
これは何故かと言うと、過去に『こんな朝礼をした事で売り上げが何%増えた! だから、皆んなで実践しましょう!』
という内容の講演を聞いたからです。
僕は、天の邪鬼と言われれば天の邪鬼です。
要するに、『これで何%増えた!』と言われる事を実践したとしても、逆に言うとその朝礼をコピペしても伸びるのはその範囲だけだと考えてしまうから。
その倍は伸びないと、僕は解釈してしまいます。
『あの経営者は、このルーティンをして年収1億円になった』と言われても、そのルーティンをしたら年収1億円で止まると思ってしまいます。
なら、そうじゃないやり方で1億円を超えてみたいと。(完全な天の邪鬼。しかも、年収1億円を本当に超えたいと思っていない)
そして、遅刻をする社員さんを咎める事もありません。
遅刻をした人に、
『何で遅刻をしたんだ!!』
と問い詰めた所で、何が生まれるのでしょうか?
『いやー、目覚まし時計が鳴らなくて、、。』
『事故があったみたいで、いつもより混んでまして、、。』
って言われるのが目に見えてませんか?
僕が遅刻をされて困る理由は、送迎の時間に間に合わなかったり、急いでしまって事故に繋がる事です。
なので、僕からすれば無事故で送迎してくれれば言う必要はありません。
ただ、1人が遅刻することで、困る社員が居る場合はどうでしょうか。
その場合は、困る人が遅刻する人に注意をすれば良い事です。
『お前が遅刻する度に、俺が遠くの送迎に行かないといけない。』
『お前が遅刻する度に、送迎順を変えなきゃいけない。』
『お前が遅刻する事で、送迎時間が押して利用者さんに迷惑が掛かる。』
と言うように。
でも、この注意するという行為が“場の雰囲気が悪くなる”という意見が出るのであれば、その会社の雰囲気は、既に悪いと思った方が良いでしょう。
体調を崩したり、
家庭の中で問題があったり、
実は借金の取り立てに怯えていたりと、
不安になる要素は表に出にくい部分が大半です。
なのに、無駄に“モチベーションを上げよう!!”としても、それは無意味だと言う事です。
それよりも、日頃の会話や顔色をちゃんと見て、
『鼻をすすってないか。』
『顔は赤く(青く)ないか。』
『だるそうにしてないか。』
『背筋は伸びてるか。』
『歩き方はいつも通りか。』
『声の張りはあるか。』
『目は生きてるか。』
『疑問に思ったり、モヤモヤしてる事はないか。』
など、その僅かな変化に気を配り、適切に声を掛ける事が社長の役割だと思います。
最後にもう一度言いますが、上がったモチベは下がります。
なので、“上げよう”とせず、やり甲斐や楽しいと感じる事を増やす事が大切です。
ウチは少数でやってますが、社員さんが完璧なんです。
誰一人として欠けて貰っては困ります。
なので、僕は社員さんの物心両面の幸福を追求する役割があると思っています。
ダメなシャチョーさんは、顧客から怒涛のクレームを受けた場合は、社員さんに対してそれと同等かそれ以上に叱責をします。
さっきの遅刻と同じですよね?
『何でそんな提案をしたんだ!!』
『何でもっと話を聞かなかったんだ!!』
『何でそんなミスをしたんだ!!』
“何で?”を聞いて、何か意味があります?
何か新しい事が生まれます??
『次からこうします。』
って言葉を聞いて安心したり、その言葉を引き出した事で満足してるのは、無意味なんですよね。
シャチョーさんの様に現場を見るのでは無く、社長さんの様に人を見る事が大切なのかもしれませんね。