平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

アウトソーシングが業務効率を改善する

最近、士業の先生や、車の修理工場の経営者から相談を受けたのが

 

「業務の効率化をして利益率を上げたい」というもの。

 

これは、どの経営者も考える事ですが、

 

僕は 「業務の効率化=利益率の向上」 とは直結しないと思うんです。

 

それは何故かと言うと、

 

ただ効率化が進むだけであれば、時間が余るだけでそれだけでは利益は上がりません。

 

業務の効率化に成功したらスケジュールを見直し、その空いた時間を利益に繋がる活動をすることが重要だと思います。

 

例えば士業の先生からのこんな相談がありました。

 

例1)

 

先生「最近、有難い事に仕事がバンバン入ってくるんだけど、とても手が回らなくて殆どお断りしないといけない状況なんだよねー」

 

僕「売り上げは伸びてるんですか?」

 

先生「それが、結局一人で何でもやってるから、こなせる件数には限界があるから伸びては無いんだよねー」

 

僕「それって凄く勿体ないですよね?全ての業務を先生がする必要があるんですか?」

 

先生「基本的には免許がないとできない仕事だけど、委任状があれば免許が無くてもできる仕事もあるし、中には委任状すら無くてできる仕事もあるねー。」

 

僕「誰でもできる業務だけでもアウトソーシングしたらどうですか?」

 

先生「アウトソーシング??って外注??」

 

僕「そうです。人って雇うと固定で人件費がかかるじゃないですか?でもアウトソーシングなら必要な時だけ依頼する訳ですから、かなり合理的だと思いますよ?」

 

先生「でも、外注に出すと経費がかかるやん?」

 

僕「そりゃそうですけど、

 

別府⇔大分 は片道30分

市内中心部に行くためには渋滞も覚悟しなければいけない

往復1時間を3回でも行けば単純に一月12時間以上は浮いた事になる

 

先生「確かにそれは良いかも!!」

 

という具合で契約貰いました。

 

それから数回先生と話をして、どの部分ならアウトソーシングできるか話し合いをして、値段を決めていきました。

 

結局、ウチの会社も先生からは月々2~4万円程度の注文を頂いていますが、先生の売り上げは6万円~8万円程度上がったそうです。(個人事業にとって、8万円の売り上げ増はデカい)

 

単純に2~3件の案件を新たに処理できた事になります。

 

先生の場合、移動時間が減った分を考慮して僕からアドバイスをしたことが

メール、電話、資料作成、原本の提出などの業務を時間を区切って行う事です。

こうする事で更に効率が上がったそうです。

 

特にメールと電話連絡に関しては、朝の早い時間に掛けてもらえる様にクライアントへ依頼したことで、資料作成時に邪魔が入らず集中できたそうです。

 

 

 

 

自動車の修理工場の専務さんからの相談は

 

例2)

 

専務「何か新しいビジネス無いですかねー」

 

僕「どうしたの?会社はめっちゃ儲かってるやん?」

 

専務「いやー、やっぱりウチもディーラーさんからの下請けがメインなんで、個人の新しいお客さん掴みたいけど、営業する時間もないんで困ってるんですよー」

 

僕「時間が無いならそもそも新しいビジネスなんてする時間ないやろ?」

 

専務「そうなんですよー。なので、修理プラスで何かサービスを付けて、個人客からの注文が取れないかと思いまして。。」

 

僕「なるほどなるほど。じゃ、今度会社に遊びに行っていい?ちょっと業務内容見せてよ!」

 

って事で、後日会社訪問して丸一日の流れを確認したところ、整備士さんが修理を担当してる車輌の洗車を始めました。

 

僕「専務、修理した車は全部洗うの?」

 

専務「いえ、個人のお客さんや、個人でやってる中古車販売店さんからの依頼の分だけです」

 

僕「あ、それで洗車機通さなくて手洗いな訳ね」

 

専務「そうなんです。台数も一日多くても5台位なのでとても買えません」

 

僕「なるほどねー、っていうか新しいオプションを探すのも良いけど、先ずは本業の生産性を高める為にも洗車をアウトソーシングしたら?」

 

専務「でも、これも業務に含んでますし、外注に出すと経費が。。。」

 

僕「バッカもーーーーーーーーーん!!」

 

専務「え?」

 

僕「ちょっと紙と鉛筆と電卓貸して。良いかい?職員さんに幾らの給料を払ってるか知らんけど、例えば

 

給料:25万円

勤務日数:月間22日

勤務時間数:一日8時間

時給換算:1,420円

 

僕「ザックリみても1時間あたり1,420円も掛かっとるぞ!?もし、洗車が30分で終わっても710円掛かっとるんぞ!?ウチに1,000円で洗車に出しても実質的に掛かる費用はたったの290円。しかも、空いた30分を本来の業務に回せれば職人さんの稼働率も上がるやろ!?」

 

専務「確かに!!」

 

って事で、無事洗車の仕事を頂きました。

 

 

修理工場でも1日30分の洗車が毎日あった場合、単純計算しても660分、つまり11時間を捻出できるのです。これは、単純に稼働日が一日増えた計算になります。

 

経費的に見れば、1,000円×22台=22,000円増える様に見えますが、

 

そもそも従業員さんに支払ってる給料を差し引けば実質的には

290円×22台=6,380円しか掛かっておらず、新たに捻出できた11時間で作業をすれば売

り上げも立ちます。

 

ここで専務に提案したアドバイスは、交代制で緊急担当を決める事です。

 

これまで、事故などによる緊急の依頼については、手が空いた人か専務が出動していました。

 

これに、応急的に対応していたのでは、今の業務が止まります。

しかも、最悪行けない場合は他社に仕事を回されるなんて事も。

 

空いた時間に対して、ギュウギュウにスケジュールを埋めるのではなく、少し余裕を持たせる事で補助にも回れますし、緊急対応も可能になります。

 

どの業界にも、「これは自分たち(従業員)がやる業務だ」と慣例的に決まってる業務が幾つもあると思いますが、それを根本から見直して、外に出せる業務はアウトソーシングする事で本来の業務効率が向上する可能性があるのです。

 

掛かってくる電話、流れてくるラインやメール、飛び込んでくるトラブル。

 

これは、今仕事をしていて、いつも片手に携帯電話を握りしめている人にとっては、

誰も止める事はできません。

 

であれば、アウトソーシングをして時間の使い方を見直してみる価値はあると思います。

 

これまでコンサルティングに入らせて頂いた個人事業者や中小企業のほぼ全てに改善点がみつかりました。

 

そして、どの企業の経営者も口を揃えて言うのが

 

アウトソーシングってお金が掛かるやん?」です。

 

「外注に出す=経費が増える」と考えている点は、確かに経費は掛かります。

 

しかし、そこの意識を変えてみると、結果的に稼働率が上がり収益増に直結します。

 

御社も是非一度検討してみてはいかがでしょうか?

 

SIC合同会社 代表番号 0977-76-8930 杉本