平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

食品ロスへの取り組みについて考えてみる

ちょっと余談ですが、

宿泊業をしている後輩君に年末年始の宿泊状況を聞いたところ、

『完全にパンパンです』との事でした。

 

『それは良かったねー』なんて話をしましたが、内情はそうでも無いらしく、手前の半年間がゼロだった為に、年末年始だけではカバーできないと。

 

しかも、今後の見通しが立たない為にパートさんも雇用できず、パンパンの状況を回せないかも知れないと、苦慮していました。

 

そんな話の中で、

『いや、実は現状満室表示にして、まだ客を取ってないホテルもあるんですよ』と。

 

要は、最高値で客付けする為に、ギリギリまで部屋を埋めないというのです。

 

確かに、旅行に対するニーズが高まっていて、皆が宿を取りたい状態です。

 

満室と諦めていた所に空室が出れば、少々高くても客は付きます。

 

既に、補助が出る事が前提なので、僕の知り合いのホテルも3,000円~5,000円程度値上げしていますが、年末価格として更なる値上げを狙っているそうです。

 

これは、中古車のASK戦略と似ています。

news.yahoo.co.jp

この記事にあるように、先に値付けをしてしまえば、同業者には『その金額で売れる』ことがバレてしまいます。

 

そうなると、その時にしか売れないサービスならば尚更のこと、より好条件を引き出す為には簡単に相場を示さないという戦略です。

 

面白いものですねー。勉強になります。

 

 

 

さてさて、今、世界的に注目されてるSDGs

imacocollabo.or.jp

持続可能な開発目標という事で、要は『世界各国でこの取り組みを進めて、継続的に発展できる社会、世界を作りましょう』という内容です。

 

ここに掲げられる17の目標は、『貧困や環境問題を解決しましょう』というものに留まらず、企業としてもこの指針にそってビジネスを展開する事で、新たな価値を生むことが可能です。

 

その中でも今特に注目されてるのが、『食品ロス』です。

 

これをビジネスとして取り組む企業や起業家が沢山出てきていますが、果たしてどこまで食品ロスをビジネス化できるのでしょうか。

 

日本のような資源不足の国は、外国からの輸入に頼らざるを得ませんし、農業の知識や技術が無い国には、安定した生産ができるようにするための技術や資金の援助が必要です。

 

この不均等さを解消する動きの中には、先進国から排出される食品ロスを開発途上国へ融通することで解消しようとする動きもあります。

 

それと並行して作り過ぎない事や、コンビニの廃棄弁当を割引で提供できる様にするなど、身近なところでできる取り組みも行われています。

 

ただ、議論の方向性が

開発途上国以外の国のロスをいかに減らすか』と

開発途上国へ食品をいかにして届けるか』になりがちな様な気がします。

 

”食品を食品のまま” どうしようかと考えてるような気がします。

 

もちろん、『それ(ロスとなった食品)を使って』の議論もあるのでしょうが、抜本的な解決はやはり難しいですよね。

 

僕も、夜ご飯の買い物には毎日行く様にしていますが、それは『ウチの冷蔵庫に何が残っているのか』を妻に確認しながら、無駄が出ない様に買う為です。

 

少なめに作るのには多少の勇気がいりますが、

『小腹が空いたらレンチン』や

『小さめのカップラーメン』

を常備する事で、そのハードルを乗り切っています。

 

こんな小さな努力でも、続ければまぁまぁの成果が出ます。

 

そう考えると、この食品ロスって企業や団体が色々な仕組みを作って取り組むべきという課題より、個人でできる取り組みを明確にして、一人一人が取り組むことを促進する方が効果も明確に出るような気がします。

 

『個人でできる食品ロスへの取り組み、これやってみた!』というキーワードに賑わいを持たせて、個人間の取り組みをシェアできる様にするだけです。

 

別に、それに応じてポイントを付与したりといった仕組みを作る必要は無いと思います。

だって、ロスが減ってる時点で、家計への負担は純粋に減っていますから、それだけでも十分な恩恵があるからです。

 

『こうすれば、世の中の食品ロスは減らせる!!』という様な画期的なアイデアを机上の空論で出し合うより、よっぽど現実的で効果的だと思います。

 

ラーメン屋さんに行っても、ラーメン屋さん側から ”一人前” を定義付けられていますが、人によって一人前の量は変わりますよね。

それと同じで、スーパーで売られてるピーマンだって、一袋いくらなので一晩では使い切れなかったりします。

 

常々謎に思うのが、『量を買ってくれたら安くするよ』というやつです。

 

”多く売れるから単価が安くなる” という発想自体の転換が必要だと思います。

 

我々が行う出張洗車も複数台割引が存在しますが、それはそこまでに行く時間とガソリンが浮く事で割引が発生しますが、それと ”沢山買ったら安い” という消費のメカニズムとは違いますよね。

 

より多くの物を売って、より大きな売り上げを上げたい。

 

そう考えるのは当然かも知れませんが、お客さんが必要な分だけ売れれば会社が成立する。そんな世の中になって貰いたいものです。