日本の年金を支える為に、国が年金の運用を任せている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による運用先についての記事に衝撃を受けました。
これが何を意味するかと言うと、公的資金によって、現在の日本の株価が維持されているということです。
要するに、アベノミクスによって企業活動が盛んになった事で株価が上昇・維持されている訳では無く、国が大株主として株を買っているから株価が安定しているという事です。
こうなると、株価だけで経済が上向いてると強調していたアベノミクスは実態社会と乖離していたことになります。
別に、国が日本企業の株を保有する事は問題無い事ですし、その事によって企業が安定する要因にもなります。
しかし、裏を返せば上場している大企業の8割が ”裏国営企業” と化しているとも言えるため、日本という国自体が実は社会主義的な方向に向かっている事になります。
このコロナ禍において、企業の価値は大きく毀損しているはず。
なのに、”株価” だけ見れば、思いの外下がっていない事に僕は違和感を感じていました。
その理由が裏国営化が進んでいた事が理由だとすれば、納得です。
ただ、アベノミクスという政策が正しくて
『ここまで株高になった』
『株価が維持できている』
『景気は上向きにある』
というのは半分は本当でも、半分は嘘になります。
年金が安定して運用され、我々の将来に対する不安が少しでも解消される事は大歓迎です。
しかし、国が日本企業の価値を下支えしているとなると、それは資本主義ではなく社会主義です。
企業は競争を辞め、守りに入る事になり、将来的には企業価値が下がるのは必然です。
そうなった時、本当の意味で日本を支えてきた企業は、どうなってしまうのでしょうか。
GPIFは目先の運用益に囚われず、日本企業の競争力低下が招く、日本の末路を少し想像した方が良いような気がします。