平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

会社依存じゃなく、自分自身で選択肢を広げる時代になってる

※実はこの記事、昨日アップする予定の記事でしたが、再考中にアップするのを忘れてました。。

という事で、昨日の記事として読んで下さい。

 

 

今日、労使関係における大きな裁判が判決を迎えるそうです。(もう出たかも知れませんが)

news.yahoo.co.jp

 

訴えは、非正規社員として働いた方が、
『仕事内容も勤務時間も正規社員と同じなのに、退職金などが支給されないのは不平等である』ことに対する是正を求めたものです。

 

同一労働同一賃金という言葉も浸透してきていますが、これは政府が一方的に企業側に押し付けるだけでなく、使用者と労働者の双方の考え方からのすり合わせが必要だと感じています。

 

今回の裁判では、退職金などの金銭が主な争点となっていますが、その支払い義務が生じるかどうかに関しては

①同一労働の定義が明確である事

②物価も含めて、企業が金銭を支払える状況にあること

も考えなければならないと感じています。

 

企業側の主張としては、記事にもあった昇給・昇格試験や、正規社員への登用試験を受ける機会を提供していたにも関わらず、それを受験していない場合は、正規社員と同じ仕事をしない事を前提としている。そんな主張の様な気がします。

 

なので、企業側にも思いがある以上、労働者側の思いだけで、時間や年数を基準にした『同一労働』とするのは、ちょっと乱暴な定義かと。

 

そうなると、会社側も『これとこれは非正規社員さんの仕事』という風に分けたり、『正規社員さんは残業あるけど非正規さんは無いよ』など、明確な線引きも必要だと思います。

 

そして②の企業が金銭を支払えるかどうかですが、退職金も含めて企業の負担が増えるという事であれば、必然的に企業はサービス単価を上げざるを得なくなります。

 

 

僕も、人の時間を安く買いたたこうとする経営姿勢には大反対で、できるだけ多くの賃金を支払える会社になる事を目指すべきだと思います。

ましてや、低賃金でしか利益が出せない会社は社会悪だとすら思います。

 

その上で、経営者はできるだけ利益を出す努力が必要になります。

そこで出てくるのが雇用条件の提示です。

 

『ウチはこういう仕事内容で、お給料これくらいだけどどう?』と。

 

その条件に納得して初めて雇用契約の締結です。

 

そして、雇用契約は会社と個人の契約なので、AさんとBさんの給料が違っても問題ありません。

最低賃金を保証し、義務が生じた各種保険への加入がなされていれば、法律上は問題ないと。

 

この原則に則った場合、今回の訴えには少し違和感が生じてきます。

 

なぜかと言うと、労使関係は先ほども書いた様に双方の合意の上で成立します。

 

という事は、使用者側が提示した条件に納得して応募し、双方が面談の上で成立している事が前提なので、退職金が無いのが引っかかるのであればそもそも応募をしないという選択をするしかないのです。

 

もし、他に就職先が見当たらないのであれば、雇用契約前に交渉が必要となるのです。

 

『労働者側が使用者に対して交渉は立場的に難しい 』は、確かにあります。

 

地域によっては、そんなに沢山の求人も無く、限られた選択肢の中で働くしかないのも事実です。

 

であるならば尚更の事、入社してからでも良いので『〇〇年経ったらこういう待遇にして欲しい』と、自分の意思を伝えるべきです。

 

最終的に折り合いが付かなければ、結果として退職という話にもなるかも知れません。

 

しかし、基本的に労使間で係争になった場合、労働者側に有利に働くのが一般的で、どちらかと言えば会社側の方が立場が弱いのです。

 

 

それでも話がまとまらない場合、今度はいよいよ『自分自身でビジネスを起こす』という事も考えないといけないのではないでしょうか。

 

会社には会社の都合があり、自分自身が会社の条件にマッチしない。

 

それは、会社だけが一方的に悪いという事にせず、先ほどの会社への交渉も含めた自分自身で選択肢を広げる事が必要になると思います。

 

僕の知り合いの中には、『雇用契約を解消して請負契約にしたら収入が増えた』という方もいます。

もちろん、個人事業主としての届け出や毎月の保険料など、手続きなどで面倒な事は沢山あります。

でも、自分自身の裁量で仕事ができて、収入や保証も自分自身で選択できます。

 

仕事を請け負っていく上では、特定の会社かその他不特定多数の会社と接点を持つ必要はありますが、全てを会社に依存するのではなく、どこかで自分自身の選択権を持っておいた方が良いのではないでしょうか。