平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

日本の所得税が高すぎると個人的には思う

 

”小さな仕事が出来ない奴に、大きな仕事は任せられない”

とは、僕が若い時に見た事のあるカロリーメイトのCMです。

 

社会人として駆け出しの頃、仕事に忙殺されていた時にこのCMを見たので、とても心に刺さりました。

 

対して子供の頃に見たリゲインのCMも衝撃的で、そのキャッチコピーは何と

”24時間戦えますか”

です。

いやー、すっごいブラックぶりですよねー(笑)

現代では絶対に考えられないというか、排除すべき思想ですが、未だにまだこういう考えを持った人がいるのも、当時の悪しき名残だと思います。

 

 

イクラスと言われる年収1,000万円が実は辛い

 

さて、バブル期が崩壊してから社会に出た僕的には、年収1,000万円なんて夢のまた夢という考えが刷り込まれていました。

 

しかし、年齢も40代に近づくにつれ、

『どうせ起業したのなら目指してみたい』

との思いが芽生えたのも事実。

 

しかし、色々と調べるにつれ、800万円を超えた辺りから生活水準が上がって、貯蓄も出来て、子供の教育費などもほどほどに確保できるが、しかし、1,000万円に到達してしまうと、そこからはゴッソリ税金で持っていかれる、そんなイメージが付きまとう様になりました。

 

 

 

そんな、年収に対するイメージが本当に正しいのかを調べるために、様々な記事を読むのですが、最近よく目にする記事に

『年収1,000万円は本当に裕福なのか』

という様なテーマがありました。

 

結論から言うと、

『1,000万円では生活水準を大きくは上げられない』

です。

 

年収1,000万円にかかる所得税は33%。

つまり、税引き後の年収は670万円です。

 

そこから健康保険や年金、40歳以上なら介護保険料などが引かれ、持ち家ならば固定資産税も掛かります。

 

670万円を12か月で割ると、月額所得はおよそ55.8万円。

この55.8万円から更に上記の天引きがあった上での生活費、住宅ローンの支払いや車の維持費、子供の教育費用などが掛かります。

 

そして、年収1,000万円の落とし穴が、実は ”ローン” なんです。

 

昨日のブログに書いた様に、ローンを組むときも見られるのはやはり ”年収” です。

 

年収が上がるとそれだけ高額のローンが組めるようになりますし、それだけ努力したのであれば、それなりの車や家が欲しくなったりするものです。

 

しかし、月額55.8万円から色々引かれた上に、毎月15万円を支払う住宅ローンを組んでしまうとどうなるかは分かは想像に難くありません。

 

となると、これではめちゃくちゃ努力して1,000万円に到達しても、何だか嬉しくなさそうな。。

 

なんだか夢の無いお話ばかりになります。

 

 

所得税は年収2,000万円まで取らない

 

海外の所得税をちょっとだけ調べてみたのですが、EUなどの先進国も限界税率は日本と同じ45%に設定してありました。

 

どの国も税率には違いがあるにせよ、累進課税制度であることは日本と同じで、所得が上がるにつれ、納める税金も上がる仕組みです。

 

例えてみると

ドイツの場合は上限の45%に達する条件として

独身の場合は270,501ユーロ以上

夫婦の場合は540,102ユーロ以上

となっており、1ユーロあたり125.28円(2020/8/7現在)なので、日本円にすると

独身の場合は33,888,365円

夫婦の場合は67,663,978円

 

また、同じEU圏内の英国(スコットランドを除く)での限界税率に達する年収では

150,001ポンド以上となっており、1ポンドあたり138.59円(上記同日)なので日本円にすると

20,788,638円となります。

 

特徴的なのが、ミドルクラス(年収300万円台~700万円台)までの税率は、日本と同じ20%であることです。

www.google.co.jp

 

要するに、

『もっと稼げた暁には沢山税金払ってね』

という制度になっていますが、素敵だと思います。

 

その上でもう一つ比較が必要なのが消費税です。

 

ドイツでは『付加価値税』というそうですが、コロナで税率を下げる前で19%で、現在は限定措置として16%まで下げられています。

 

日本の10%から考えると高いですが、所得税の限界税率に達する年収が約6,700万円であることを考えると、国民が可処分所得として自由に使えるお金が沢山ある事が分かります。

 

 

あくまで持論ですが

年収2,000万円まで所得税を取らなければ、どうなるか容易に想像できますよね。

 

年収1,000万円の人でも、年間にして300万円近くの可処分所得が増える訳ですから、消費もそれなりに増えるはず。

 

なので

①年収2,000万円まで所得税を取らない。

②消費税を25%~30%まで上げる。

③年収1,000万円以上になると、年金は納付しないといけないけど、受け取りはできない。なので自分で蓄えて。

④年収2,000万円~3,000万円までの所得税を35%にする

(現状は1,800万円~4,000万円までが40%)

⑤それ以上の累進課税は頭の良い人が考える

 

です。

 

手元にキャッシュが残れば、消費に繋がります。

これまで手が届かなかった商品やサービスにも手を伸ばすようになるため、安かろう悪かろうは淘汰されますし、高額商品を手に取る様になれば、売れるから作れるという事で日本の技術向上にもつながる可能性があります。

今まで買えなかった8Kテレビや、ワンランク上の自家用車を検討する様子を想像してもらえればイメージが湧くはずです。

 

なので、消費税を上げる必要があります。

 

その上で、ハイクラスの方々には年金は収めて貰いつつ、退職しても支給しないという非道な手段を講じます。

そして、ハイクラスの方々が納めてくれた年金で、ミドルとローの方々が老後を安心して送る。

 

イクラスの人たちが納める年金額も少し高めに設定しないといけないかも知れませんが、その辺の計算も頭の良い人たちでやって貰えれば、直ぐにでも試算できると思います。

 

年収1,000万円クラスの人でも年間300万円程の可処分所得が増えるのであれば、1,000万円を5年間維持できれば1,500万円の貯蓄ができる計算です。

 

消費税が上がっている分、老後の資金は1,500万円では足りないでしょうが、後は資産運用をするか、できるだけ長くハイクラスを維持する事が重要になります。

 

 

これはパッと思いついただけなので、特に深い考察はしていませんが、何となくフェアな感じもしています。

 

年収が ”億” という人も少なくない日本において、1,000万円台の人達がもっと自由にお金を使えるようになるともっと消費が加速しますし、そこを目指そうとする人もきっと増えるはずです。

 

何なら、億越えの場合は限界税率を50%以上に設定しても良いのではとすら思います。

(絶対あり得ないけど、僕が億超えたら50%持っていかれても良いと思うから)

 

誰か、これについて議論してくれないかなーー