ここ最近
『事業をどうやって急成長させたんですか?』
との質問をよく頂きます。
僕としてはまだまだ道半ばなので、やれる事ややりたい事を日々模索している段階ですが、確かに昨年比で言えば急成長と言えば急成長しています。
でも、『その理由は?』と問われた時、ふと思ったのが
『門戸を狭めた結果』という答えに行きつきました。
確かに、別府市内やお隣りの日出町まで、関連しそうな病院やリハビリ施設、介護系や相談系の福祉施設には営業に行きましたし、何なら同業他社にもあいさつがてら営業に行きました。
それを半年くらい続けた後の昨年4月あたりから見学者が急増し、7月に単月黒字達成とあいなりました。
営業活動で心掛けた事
営業活動を行う際に気を付けた事は
”自社のストロングポイントをしっかり伝える”
という事のみです。
『とにかく仕事はキツイ』
『それなりの社会性を身に着けてもらう為、厳しいよ』
と、サービス業&肉体労働である事を伝えます。
その上で、
『その分だけ工賃(給料)高いよ』
『社会性が身に付くよ』
『一般就労目指してるよ』
と、ウチの方針(これがストロングポイント)をアピールします。
ストロングポイントが門戸を狭める
こうやって営業活動をやっていると、
『え?B型ですよね??』
と、殆どの事業所からこんな反応がありました。
先方さんから、なぜそんな反応が返ってきたのかを考えてみると
『B型なのに、そんなキツイ作業させるの?』
『B型なのに、一般就労目指すの?』
『B型なのに、なんでこんなに工賃高いの?』
という思いに駆られるからだと思いました。
回り続けても、結論はいつも
『ウチにそんな作業できる人はいない』
です。
全国平均の月額工賃が16,000にある中で、平均40,000円弱の工賃を提示されたら、
『あそこに行くとめちゃくちゃ働かされるんじゃないか』
と誰でもビビります。
そうやって門戸が狭まった結果、半年近くの空振りとなるのですが、先述の通りに半年を過ぎたころからちょいちょい見学者が増えるのです。
門戸を狭めた結果
結果的には、作業能力の高いメンバーばかりが揃う事になり、よりハードルの高い仕事を受注する事が可能になりました。
またその結果として、請ける仕事を高単価に設定できるという好循環が生れたのです。
コミュニケーションに関して言えば、やはり知的と精神の方の交わりに注意が必要ですが、そこは工夫次第で何とかなるもので、作業場所などを変える事で対応しています。
逆に門戸を広げる必要性も
高校野球にも時代の変化が訪れている様で、坊主頭のルールを解禁して髪型自由にしたところ、入部希望者が増えたというニュースがありました。
この様に、組織の人数を増やす事に重点を置く場合には、”そうでなければならない” 慣習以外は、潔く捨てる事も重要だと思います。
逆に言うと、その慣習こそ捨てにくかったり、気付きにくかったりするので捨てるのには一苦労します。
ウチも開所当時から、内職系作業が全くなかったかと言えばそういう訳でも無く、お菓子の箱の組み立てや袋詰め作業などを受注していますが、それも門戸を広げる取り組みへの一環でもあります。
近年、多様性というキーワードが重要視されています。
『これが出来ないなら✖』や、『ウチはこれしかやってない』と言い切れば、その範囲にすっぽり収まる人しか対象となりません。
範囲を狭めた方が、ある意味でまとまってくれるので、取りまとめる側からすると楽ですが、
『一人の可能性を見出す』
という作業の場合は、いかに多くの経験を与えるかが大切だと思います。
広げたり狭めたりの矛盾はどうする?
さっきから『門戸は狭めろ』と言ったり『広げてみろ』と言ったり、矛盾じゃねぇ?と思われると思います。
僕も確かに矛盾を感じますが、これは『この時はどうするべきか』を考える根本に、『高工賃を実現する』
為にはどうするべきかを基準として、狭めたり広げたりすれば良いと思います。
頑なに貫き通す事が美徳とされる日本においても、今や柔軟性は欠かせない要素となっているのではないでしょうか。
プロ野球の球団に投手として入団した選手が、その後に他のポジションに転向し、成功を収めた例もありますが、これは毎日見ているコーチ陣の見極めでオススメされるケースが殆どです。
自分の事は、案外自分で気づかないもの。
事業や組織の規模拡大を希望するのであれば、門戸を広げる事が選択肢となり、本当にそれがしたい人ばかりを集めたいのであれば狭める事が選択肢になります。
ご自身の組織を今一度みつめなおし、どの方向性で行くのか、再検討されるのも良いかも知れません。