平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

マネジメントって難しいですよね

会社(組織)が大きくなり始める(人が増えてくる)と必ず出てくる問題がマネジメントの問題。

 

これも個々の個性があるからこそなのですが、その個性が少しだけ強く出ちゃったり公私の境目が曖昧になったりすると、ガバナンスが出来て無い組織の場合、最悪廃業に追い込まれる事もあり得ます。

 

廃業となると、どこでも大なり小なりある事とは言えども絶対に避けたいことではあります。

 

できるだけ、早い段階で事が発覚し、社内で解決が図れたり内輪揉めで済めば良いのですが、耳に入ってくる時には外部に話が漏れていたり、内部でも話が大きくなりかけてからというのが世の常です。

 

今、世間の話題は吉本興業です。

この問題はそもそも何が問題だったのでしょうか?

 

この問題の発端は、吉本興業所属芸人の直(闇)営業先が反社会的勢力で、詐欺や強盗で得た金銭がその時の芸人さんに対する報酬に充てられていたことが問題視され、特に反社との繋がりが強いとされたカラテカの入江氏が即契約解除となりました。

 

その後も、元々の問題となった営業とは別の機会での人気芸人の反社との繋がりが次々に明るみになり、対象となった芸人さんをマスコミは次々と叩き散らしました。

がしかし、その後の記者会見での会社側の対応がマズいこともあり、今では吉本興業自体が会社としてのコンプライアンスやガバナンスが問題視される結果となり、今や「そもそも吉本興業がブラックやし、会社としてダメじゃない?」に論点がすり替わってしまうという始末です。

 

そもそもは反社会的勢力が最大の悪であるにも関わらず、‟悪” とされる対象が芸人になり会社になっています。

 

もう一度考えますが、この問題の本質って一体なんだったでしょうか?

 

発覚から宮迫氏の契約解除までの流れを吉本興業側から見ると、

「反社組織との交流はけしからん!!そもそも会社を通さない直営業をするから善悪の見極めがつかず、こんな事になるんだよ!!こうなった以上、世の中の目もあるからお前たちはクビだ!!」という風に見えました。

 

そして、芸人側からみると

「傷口を最小限に抑えたい(自分も会社も)から探り探り発言したんだけど、、、思った以上に週刊誌が現場抑えてるみたいなんで自分たちでは対処できなくなりました。。でも、会社に相談したらトカゲのしっぽ切りに合いまして。。 だったらもうやけくそです!!会社の事全部言っちゃいます!!」という感じでしょうか。

 

その対応をまた吉本興業側からみると

「(中尾彬風に)おいおいおい。そんな事は言って無いじゃないか~。冗談だって。分かるだろ~、君も大人なんだから~。こっちも多めにみるからさ!」と出ました。

 

しかしここで新たな火種です。

昔、辛酸を舐めさせられた極楽とんぼの加藤さんが黙っていません。

加藤さん側からみると

「ちょっと待ってよ~!!!!!ウチの相方は!?ウチの相方はどうなんのさーーー!! 一体何が違うって言うの!? そして、またこんな対応なの!? ちょっと待ってよーー!!」という感じでしょう。

 

この様に、次から次へとあちこちから火種が出てきてしまえば、もう収集つきません。

ガバナンスが一切効いてない状況です。

 

ここで必要だったのが、吉本興業が ‟会社組織” としてのマネジメントだったのではないでしょうか。

 

契約書の整備も重要な要素ですが、遣り甲斐搾取の様な給与形態が未だに継続できたのも当然と思わず、古株の芸人さんをしっかり優遇しつつ、若手芸人や売れっ子芸人にも、日頃から声掛けをするなどのマネジメントが必要だった気がします。

 

お笑い界では間違いなく吉本興業が№1 でしょう。

 

なので、改革の必要性を感じたり、同業他社を真似たり、同業他社から学んだりするという事自体が頭の片隅にすらよぎらなかったと思います。

 

極楽とんぼの加藤氏は経営陣の刷新を求めている様ですが、ただ頭を買えるのではなく、また内部昇格などでもなく、はたまた同業からの招聘でもなく、全くの畑違いからの招聘を検討すべきと思います。

 

吉本興業の発表では6,000人もの芸人さんが所属しているそうですが、この人たち全てを幸せにできる力が今の吉本興業にあるとは到底思えません。

吉本興業に必要なのは、一般的な企業が既に備えている常識を一から学ぶことではないでしょうか。

 

 しかし、ハイヒールモモコ・リンゴ師匠、オール阪神巨人師匠や明石家さんま師匠などのお笑い界の超大物を抱えている吉本。 その大御所の皆様に対して今更「これが雇用契約書と申しまして、、、。」と言っても絶対通に用しない事は容易に想像できます。

 

あの!!! JALの経営再建を果たした超一流の経営者である稲盛和夫氏をもってしても、この複雑な歴史の上に成り立つ業界を変える事ができるのかとすら考えてしまうほどです。

 

お笑いというこの特殊な業界。

メディアというこれまた特殊な業界。

マスコミというこれまた独特のルールがある業界。

 

この業界、会社をマネジメントできる経営者は本当の日本一の経営者かも知れません(笑)