平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

起業・創業のコンサルティングもやってます。

朝から買ったばかりの缶コーヒーを半分ほどこぼしてしまい、ちょっとブルーな朝になってしまいましたが、洗車のご予約も入ってますので気持ちも新たに頑張ります。

 

 

さて、昨日の夕方頃ですが、商工会議所青年部の後輩君から突然電話があり

 

「折り入って杉本さんにご相談が。。」

 

という事で内容を聞くためにウチの事務所に来て貰いました。

 

 

その相談の内容というのは、半年ほど前にその彼と夜の会食をした際に少しだけ話を聞いていた起業についての相談でした。

 

 

その彼は、実父が経営する自動車整備関連の会社に勤めており収入は安定してます。

 

以前その実父が入院した際に半年間ほど社長代行を務めたそうですが、目も当てられない程の赤字を計上してしまい、その経験から経営の難しさと楽しさを実感したようで

 

「自分で起業してみたい!」との思いに駆られたとのことです。

 

思い立ったら直ぐ行動!!と言わんばかりに、事業に必要な車輌などは既に購入しており、既に一軒目の顧客も獲得していました。

 

話を聞いてみてももう既に行動に移しているし、顧客も掴んでいるので後はドライブさせていくだけじゃないの?と思ったのですが、話を更に聞くと彼は言い表しようのない不安に駆られていたのです。

 

それは、「何から始めれば良いか分からない」というものでした。

 

提供するサービスは決まっていて

必要な物も最低限揃っていて

顧客も獲得している

 

なのに、「何から始めれば良いか分からない」と。

 

ふむふむなるほど。

 

 

これは完全に ‟買ってきたばかりのプラモデルのパーツを全部バラしてしまった状態” です。

 

プラモデルは、図面に従って順序通りに切り外しながらパーツを組み立て、最後に部分的に出来上がったパーツとパーツを組み合わせれば完成となりますが、起業もセオリーに従って順序良く進めていかないといけません。

 

また、料理の場合は完成図を頭の中に思い描き、味を創造し、切り方にも工夫を加えてから素材への火の通り方を計算しながら逆算で段取りをしますが、経営でも同じで、先ずは事業の成功を頭の中に思い描き、その事業で競合となる会社や業界をじっくり研究し、自社の強みを作り出す必要があります。

 

プラモデルも料理も共通して大切な事は、完成予想図が描けていること。

 

先ずは、自分がこの事業を興すことで

誰に喜んで貰えるのか。

どう喜んで頂けるのか。

の完成予想図を描いておく必要があります。

 

自分が食べていくだけ稼げたらいいというのも起業の動機の一つとして間違いではないと思います。

 

ただ、時代が流れるとニーズが変わるので、自分が食べていくだけとはいえ、何の努力も必要無いかといえばそうではありません。

 

それでも誰かのお役にたっていないと対価は頂けないからです。

 

なので、その彼には頭の中を整理する為に用いられる専用のシートを渡して一緒に考える事にしました。

 

そのシートの一番最初には「この事業のテーマはなんですか?」とあります。

 

ここで言うテーマとは、ただの題名ではなく

「事業の理念」が問われているのです。

 

このシートを彼に渡した途端に

 

「やっぱりそうですよねーー(>_<) これ、必要とは思いつつ、実は避けてたんです。。」

 

と、期待通りの反応を頂きました(笑)

 

原価や売上の計算、収支予測も重要ですが、それよりも事業体としての根幹をしっかり固める事が重要です。

 

彼には宿題としてそのシートを渡しましたが、次回までに埋まっているか楽しみです(笑)