平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

生活保護からの脱却と制度に対する心の壁について

昨日は湯布院での別荘の清掃作業にお邪魔しましたが、

落ち葉もそろそろ片付き始め、

尚且つ雑草もまだ伸びておらず。。

 

一端は作業が無くなってしまう、、、。

 

と、思いきや

 

各別荘の浴室清掃をご提案差し上げたところ

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窓洗浄

窓の洗浄と

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浴槽備品の洗浄というお仕事を頂きました。

 

GWに向けて入村者数が増えるので、それまでしっかり仕上げていきたいと思います。

 

 

 

さてさて、表題の件ですが、皆さんもご存知の通りスバルでは高工賃を目指していますが、ついに生活保護からの脱却者が現れました。

 

就労支援事業所としては、

「自立とは何か」

を常に問い続けなければならないと思っていますが、それが生活保護からの脱却が最重要とは考えていません。

 

 

保護を受けていても、

本人が安定して稼ぐ力を身に着けて社会の中で生き抜いていくことが重要だと考えています。

 

 

しかし、保護からの脱却あるいは減額は本人の自立度合いを測る目安の一つにはなろうかと考えています。

 

 

そんな中見えてきた制度の壁

 

 

スバルの月額平均工賃は一人当たり3万円を超えています。

 

ここで出てくる壁が 月の収入1万6千円 というものです。

 

それ以上の収入があると、保護費が減額になるのです。

 

 

要するに、スバルで働くと保護を受けているメンバーは保護費が1万4千円程度減額されます。

 

実際のところ減額されたとしても実労働による収入は増えている訳ですから手取りの収入は変わりません。

 

しかし、「保護費を減らされる」という謎のキーワードに執着してしまい、自ら稼ぐ事を止めてしまうメンバーが出てきたのです。

 

もう一度言いますが、結果的に収入は変わっていません

 

むしろ、保護費は二か月に一回の支給ですから、前月の工賃を翌月に受け取る事でキャッシュフローは良くなっているはずです。

 

しかし、「保護費が減らされる」という謎のキーワードに心を征服されてしまうと他の思考は停止してしまう様です。

 

正に魔力とでも言いましょうか。

 

人の心に巣食う悪魔の様です。

 

 

ここで、制度自体についても余計な事を言ってみますが、生活保護の制度自体が自立を促すものになっていないという課題がかなり大きいと思います。

 

というのも、先ほども述べたように収入が増えた途端に保護費は減額されます。

 

頑張って働いても収支はトントンか、下手すると減ってしまう事もあります。

 

もし、6万円程度の保護費を受給していた場合、それ以上稼がないと受給していた時より生活が苦しくなるのです。

 

頑張って6万円稼いでも生活が改善されないのであれば(もっというとキャッシュ今までよりが手元に残っている実感が無ければ)

「保護を受けた方が良い」

「働かない方が良い」

となるのは当然と言えば当然かもしれません。

 

稼ぐ力を実感するのって、収入が増えたという実感しかないのではないでしょうか?

 

であれば、

「稼げるようになったから減額します」

 

ではなく、

「稼げる様になったから、段階的に減らします」

 

とした方が良いと思うのです。

 

先ずは、働いた事で収入が増えたという実感が重要なのです。

 

そして、彼らの場合は特に「恒常的に収入が増え続ける」環境になるのは難しい事を理解すべきです。

 

高卒や大卒で就職して、そのまま60歳過ぎまで初任給と同じ給料で働き続けてる人はいますか?

 

景気の波はあれども、ベースアップを経験しない人は殆どいないと思います。

 

これは不景気が続いた時に「公務員人気」が高まった背景と似ていると思います。

 

結論ですが、

「働いても働かなくても収入は同じ」

を改善しなくては、何の意味も無いと思います。

 

難しいとは思いますが、保護受給の要件に「就労支援事業所等で働く義務」を負って貰う事も必要かと思います。

 

そして、収入を得た場合も一気に減額するのではなく段階的に減額する。

 

また、行政指導に従わず、働けるのに働かない場合や就労支援事業所にも通所しない場合も、段階的に保護費を減らすなどの措置を講じる事も必要かと思います。

 

 

今回は、少し踏み込んだ発言をしましたが、その訳は冒頭で書いた様に

「1万6千円に合わせる為に働かない」

という実例が出たからに他なりません。

 

スバルの場合、時給単価が300円を超えていますので、短時間で稼げてしまいます。

 

という事は、1万6千円に合わせた場合は必然的に労働時間が減りますし、通所日数も減ります。

 

これは、自立を目指す上で、何とも不本意な結果としか言いようがありません。

 

以前、別府市の職員がパチンコ店に乗り込み、保護受給者が来店していないか実態調査をしたことが問題になっていました。

 

単にこの調査自体が問題視された事にも疑問が残ります。

 

僕自身は、あの調査は必要だと思いました。

 

ただ、そこから先に課題が残ったと感じています。

 

パチンコ店に通える受給者を就労支援事業所に繋げるべきだと思います。

 

そこには、もちろん障害者手帳の有無が次なる課題になりますが、そこは柔軟に「みなし手帳」の様なもので対応できるはずです。

 

複合的に色んな課題があるからこそ、制度に歪や谷間ができると思います。

 

であるならば、その課題に対してトライアンドエラーを繰り返す必要があるのではないでしょうか?