平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

移動販売が好調です

[目次]

  1.  鳴かず飛ばずの買い物代行
  2. 店頭販売で掴んだ手応え
  3. キラーコンテンツの再来
  4. 同じ悩みを繰り返す
  5. ここで一縷の望みが(移動販売スタートの切っ掛け)
  6. まとめ

 

 

鳴かず飛ばずの買い物代行

 

買い物代行事業の開始当初は、別府市周辺の大手小売店が次々と撤退し、「必ず買い物難民がでる!!」との思いから代行事業をスタートしました。

 

意気軒昂にチラシを2,000部刷り、新聞折り込みを依頼したり自らポスティングしたりと、2週間程度でチラシを撒き終え、いざという注文に備えシミュレーション!!

 

「あれが足りない!!」「ここはこれでカバーしよう!!」など、来ても無い注文をイメージしながら抜かりが無い様に考え抜きます。

 

 

しかし、待てど暮らせど申し込みは月間2~3件程度。。。

 

そんな状況が3か月も続き、流石に焦りの色が見え始めました。

 

 

それにしても「買い物難民はどこに行ったの?」

「え?高齢者の皆さん、もしかしてめちゃくちゃ健脚?」

と思う程、電話が鳴りません。

 

 

そんな中、待ちゆく高齢者にインタビューをしてみると、

 

 

「週に一回、息子に買い物に連れて行って貰ってる。」

「二週間に一回は息子たちに買い物を頼んでいる。」

 

という様に、小売店の撤退を前に、連れて行って貰うか買ってきて貰うかの段取りをつけていたのです。

 

 

これでは電話がなるはずもありませんよね。。

 

無くなると聞くと直ぐに段取りを付けないと、生活が困りますから早めに段取りを付けるのが当然ですよね。

 

要するに、遅きに失した。要するにニーズが出る時期を逃していたという事です。

 

「撤退するらしいよ!」という噂が流れると同時に「でも買い物代行があるらしいよ!」という噂も同時に流せれば良かったでしょうが、そのタイミングは完全に逃していました。

 

 

 

店頭販売で掴んだ手応え

 

それでも、買い物というキーワードが全くニーズが無いとも言い切れませんでした。

 

 

それは何故かというと、全てが親族を含めたボランティアに依存しているからです。

 

親族の場合はボランティアという言葉は当てはまりませんが、しかし、連れてきて貰っている場合には時間が気になりますし、買ってきてもらう場合には「あれが良かったんだけど。。」という気持ちは封印するしかありません。

 

そこのフラストレーションを克服する手段として、買い物代行と移動販売へのニーズが必ず出てくると思ったからです。

 

そこで、買い物代行の次に取り組んだのが店頭販売です。

 

最初は、知り合いの経営者の方に農家をご紹介頂き、棚板の上に並べる程度からスタートしました。

 

何せ、仕入れるお金をどこまでかけて良いか分かりませんし、認知されていない状況で売れる自信が無かったからです。

 

しかし、先ずはやってみるしかありません。

 

取り敢えず週3日仕入れに行き、一回当たりの仕入れ額を1,000円までと決めて仕入れにいきます。

 

しかし、1,000円では目を引くような商品を展示できず、集客もまばらです。

 

 

とにかく我慢!!とばかりに仕入れを続ける中で、これまた知り合いの就労支援事業所から「ニンニク売ってみない?」と声を掛けて頂いたのがきっかけで、「どうせなら完売させてやる!!」と意気込み、POPを充実させて、陳列も棚板から商品陳列用のコンテナに切り替えました。

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店頭販売

するとすると、600円(500g)と1,200円(1㎏)で販売したニンニク10㎏が2週間で見事に完売。

 

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ニンニク

気を良くした僕は、売り切れた翌日には3倍の追加注文をし、しかもこれを3週間で売り切ったのです。

 

 

 

キラーコンテンツの再来

 

ニンニクは、黙っていても売れる状況が続き、日販で10,000円を超える日もでてきましたが、数に限りがあります。

 

どれだけ売れる商品でも、モノが入ってこなければ売れません。

 

「何か、次に目玉となる商品は無いものか。。」

 

そう考えてた矢先、家族で梨狩りに行くことになり、家から近い梨農園を探したところ、車で約30分の所に農園を発見。 早速家族で出かけました。

 

農園に到着すると先客がいましたが、子供四人を連れた客が珍しかったのか、色々サービスをしてくれました。

 

実際に食してみると、玉は小ぶりですが甘くてジューシー!!

 

こんな近くにこんな美味しいものがあったとは衝撃です。

 

しかも、意外と知られていないという事実。

 

これは売るしかありません。

 

そこで、女将さんに店頭で野菜なんかを販売している事を伝えると、通常価格よりも安く譲って下さり、おまけに試食用の梨まで付けてくれました。

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梨販売

結果、9月ごろから始めた梨販売も、豊水幸水と品種を変えながら10月いっぱいまで販売でき、最後は梨目当てで来店されるお客様もでるほど人気になりました。

 

 

 

同じ悩みを繰り返す

 

梨も順調に売り切り、贈答用まで5セット販売するなど、厳しい経営環境をニンニクと梨が支えてくれた状況です。

 

しかし、ご多分に漏れず、梨の季節も終わりを告げます。

 

その後も、店頭販売では地元特産のお茶やお漬物、乾燥シイタケなどの取り扱いをふやしますが、なかなか目が出ません。

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漬物

売れるのは内成で仕入れた野菜ばかり。

 

これでは日販2,000円程度が限界です。

 

このままではいけないと、POPを工夫したり、季節の野菜の品数を増やしたりしましたが、V字回復とはいきません。。

 

これまでのキラーコンテンツに頼った販売戦略が終わりを告げます。

 

確かにモノは売れました。 仕入れたモノは基本的に売り切りました。

 

しかし、野菜に関してはロスも結構出ていて、結局は職員で買って帰る事が増えていました。

 

漬物、お茶、乾燥シイタケは販売期限が長いのが助かるところですが、直射日光や気温に配慮してサンプル販売に徹していた為、ロスは出ませんが訴求力が低下していたのです。

 

どれだけポップを充実させても、やはり実物を見て買いたいというお客様の目には留まりません。

 

しかも、お土産品という事もあり、スーパーで買うお茶や漬物に比べると割高。。

 

勿論、防腐剤無添加の商品の為に価格が上がっているのです。

 

これでは、商品の良さが伝わらければいよいよ売れません。

 

 

 

ここで一縷の望みが(移動販売スタートの切っ掛け)

 

「もうこれは縮小やむなし。。。」と思いかけた11月下旬の事。

 

POP、SNS、ホームページ。

 

様々な形で宣伝を展開している中で、ある商品の再入荷のお知らせを流したところ、以前ウチで買って下さった「キムチたけのこ」が美味しかった!!と、あるお客様がコメントを寄せて下さった事によりその投稿がシェアされ、「○○さんのFacebook見てきました!!」というお客さんが続々来店。

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キムチたけのこ

 

今では1週間で20個売れるキラーコンテンツに成長したのです。

 

この時ばかりは“口コミ”の力をまざまざと見せつけられ、以後、“映え”する投稿を心掛けると、メッセンジャーでもご注文を頂く事が増えました。

 

そして、その方が与えて下さったヒントがもう一つあります。

 

それが移動販売です。

 

そのSNSでシェアして下さった方が車いすユーザーだった事もあり、キムチたけのこを会社までお持ちする事になりました。

 

そこで、“ついでに”という事で、トレイに店頭販売の商品を5,000円分載せて行ったのですが、100円のキャベツを除いて完売。

 

これで移動販売へのニーズに気付きました。

 

 

そこで、牛乳配達代行の時間帯を早朝から朝と昼の配達に切り替えたのと同時に、牛乳の顧客に対して訪問販売をしてみる事に。

 

すると、扱っていたお茶や漬物が「スーパーでは見たことない」と人気に。

 

実際に始めてからまだ5営業日ですが、初日からの平均で日販6,000円まで上がってる事を考えると、商品ラインナップを充実させることで日販10,000円も可能だと思っています。

 

実は、訪問販売でキラーコンテンツになりそうな商品を、あといくつか目を付けていて、入荷待ちの状態にしています。

 

お客様への事前告知などはしていませんが、売り切れ必至です。

 

 

まとめ

 

最初は、「絶対にニーズがあるはず!!」と取り組んだ買い物代行事業でしたが、実際は鳴かず飛ばずで苦しむ事に。。。

 

しかし、買い物代行自体のニーズが無い訳では無いと、根拠のない自信だけがありました。

 

実際にニーズはあるが、完全にタイミングを逸していた事が問題だと。

 

では、どうやってそのニーズを引き出すのか。

 

先ずはトライアンドエラーを繰り返すしか方法はありません。

 

しかし、買い物代行一本足でトライアンドエラーを繰り返しても、精度が上がるかどうかも分かりません。

 

そこで、売り方や商品を変えつつ、トライの角度を変えた事が多きなヒントに繋がったと思います。

 

“買い物”という一つのキーワードについて、角度を変えながら様々トライしていく。

 

この事により、様々なヒントが得られました。

 

今回は移動販売という新たな形にトライしているので、結果をまたご報告したいと思います。

 

sic-social-innovation-company.webnode.jp

magokoro-sensya-beppu.webnode.jp