今日は午前中が洗車が4台。
上々の滑り出しです。
確か一昨日だったかな? 僕の好きなクローズアップ現代で、現在経営破綻の一歩手前までいってる東芝の特集がありました。
内容は、経営破綻を回避する為の取り組みなどが紹介されていましたが、そこは流石のクローズアップ現代。その前途が多難である事を証明するシーンなどもフォーカスされていました。
現在の東芝は、若手社員を中心にプレゼンテーションをさせ、そのプロジェクトリーダーとして抜擢するという取り組みです。
しかも、車谷CEOとの直接の意見交換会なども開催され、若手社員の声を直接聞いて経営に生かそうという取り組みもしていました。
その中でも印象的だったのが、新商品の開発プロセスを話し合う会議の場を撮影したシーンがあったのですが、若手、中堅、ベテランのそれぞれが出席しており、意見交換をしていました。
その時、若手社員は
「先ずは全ての機能が完璧に搭載されているものではなく、ある程度のタイミングで市場に商品を送り込み、それを使って貰った感想を貰って更に積み上げれば良い」という、所謂トライアンドエラーの実践を提案していました。
しかし、ベテラン社員はというと
「東芝ブランドとして、未完成の商品を世に送り出す訳にはいかない」という、所謂プライドの様なものがありました。
結論としては、一部の製品に対して、そのトライアンドエラーのプロセスで行くことが決定された様ですが、このやり取り自体は凄く良いと思います。
それこそ、トライアンドエラー方式自体をトライアンドエラーしてみないと、そのやり方が正しいかどうかすら分かりませんから。
とにかく、今の東芝は若手社員を重要視しているのが見て取れましたが、ただ余りにも急なベテラン切りをすると、これはこれで歪が出るような気がします。
むしろ、大胆に完全に切ってしまうのであれば良いのですが、ベテラン社員を要職に置いたまま、若手の意見を採用するというのは、ただ軋轢を生むだけだと思います。
ベテラン社員にとっては、心地よい話ではないですよね。
ただ、その事により東芝ブランドに固執するあまりスピード感を失ってしまい、競争力の低下に繋がっていることは間違いないでしょう。
ただ一つ、若手社員からの提案について疑問だったのが、「何をどのくらいスピード感を上げてやって、どこまでできらた製品化するのか」という点です。
本当にプロトタイプで出してしまえば、欠陥品であったり、チープな製品になるかもしれません。
それではベテラン社員がいう「東芝ブランド」に傷が付きかねません。
決済を省略化することのメリットは
①意思決定のスピードが上がる
②責任の所在が明確になる
③若手社員の成長に繋がる可能性がある
④市場の声を反映しやすい体質ができる
などなど、他にもメリットはあると思います。
しかし、それとベテラン社員の意見を聞かないというのとはちょっと違う気がします。
何故なら、そこにはベテラン社員が居るからです。
ベテラン社員が言うように、トライアンドエラーを急ぎ過ぎてしまうと
①チープな製品を提供していまい、市場からの信頼を損なう
②トライの回数が増えると、損失がかさむ可能性がある
③若手では負えない責任が発生した場合どこまでカバーできるか
④リコールなどが発生した場合、その損失を吸収できるか
など、いくつかの懸念はあります。
ウチも、製品作りとは異なりますが、チラシのデザインは結構頻繁に変わります。
これもトライアンドエラーの一種で、ある程度の枚数を刷らないと検証できないのでリスクはありますが、一定の成果を得られるデザインと、そうでないデザインはハッキリと結果に表れます。
それを繰り返すことで精度が上がるのは良い事ですが、電化製品や公共インフラ設備などの場合、それを頻繁にやり直すことはできません。
なぜなら、直ぐに「どこが悪いから次はこれ!」と分かるものであれば良いですけど、「どこが悪かったんだろう」からの検証では時間とお金が掛かり過ぎます。
なので、それを防ぐ方法としては、「予め仮説を立てておく」しかありません。
昔聞いた話ですが、
自動車業界なんかは、「現在の新型車に搭載されてる技術の2モデル先まで実用化できる技術を有しているが、モデルチェンジで細かく稼ぐ為に手前の技術から搭載している。」と聞いた事があります。
要するに、自動ブレーキシステムなんかも、発売される時には既にその先の自動運転までできているが、その手前の自動ブレーキシステムを最新技術として売り出すという事です。
現在の東芝は、技術開発に時間が掛かり過ぎる為、出来た最新の技術をそのまま新商品として売っている様な気がします。
もっと先の未来を見据えた技術開発を行い、販売する前にモニター調査を数回行いながらトライアンドエラーを繰り返し、ある程度の所で販売する方法が現実的ではないでしょうか。
表題に書いた「衰退の原因」ですが、それは正に ‟古い体質” に他なりません。
しかし、古い体質からの脱却を目指しながら、ベテラン社員を中途半端に残している。
これが大きな躓きの原因になります。
ただ、若手社員だけであれだけ大きな会社をV字回復できるほど、甘くはありません。
ここは、若手の意見が聞けるベテランさんの腕の振るいどころではないでしょうか?
自分が見る限り、あんな立派なオフィスは必要ないと思います。
もっと言えば、CEOの執務室もこれまで通りの立派さにちょっと引きました。
もう一度、原点回帰するのであれば、泥水を飲んででも、石にもかじりつく位の思いも必要でしょう。
これまで通りのポストイットに書き出して張り出すやり方ではダメなのではないでしょうか?
ダメだった事は根本的に見直すべきです。
そのやり方自体が ‟大企業病そのもの” だと思いました。
チャンチャン!!