平凡が一番難しい

小さな会社を経営していて感じることを、ぼそぼそと書いています。

採用と退職②

①の採用に続いて、②では退職について書いてみたいと思います。

 

ちょっと余談ですが、

退職と辞任の違いってご存知ですか??

 

先ずは退職ですが、退職とは「職を退く」と書き、その職場から退くことを意味するため、一般的には「サラリーマンが会社を辞める」時に使われます。

 

では、辞任ですが、これは退職とは若干異なり、任を辞することを意味する為、どちらかと言えば「役職者が辞任する(役を辞する)」時に使われます。役員などは、その性質上、会社から任命を受けて就任するので、辞める場合は任を辞める事になります。

 

なので、会社員は辞職、取締役は辞任と使い分けられるんですねー。

 

 

さてさて、退職についてですが、自分の意思で会社を辞める場合と、会社から雇用契約の解除(いわゆる解雇)を通知されるというのが一般的に知られる形ですが、実は解雇の前に、会社側から「会社を辞めませんかー?」と勧められる ‟退職勧奨” なるものが存在するのはご存知でしょうか?

 

この退職勧奨には強制力はありませんので、退職勧奨の通知がなされたからといって、「会社をクビになったー!」という訳ではありません。

 

あくまで、こう言う理由で、あなたとは雇用契約の継続が難しいと会社は判断してますけど、どうですか?と聞いてる程度に他なりません。

 

しかし前出の様に、あくまで勧奨なので、これを月の内に何度も行ったり、強い口調でこれを迫ると、パワハラとなり不当解雇となるケースがあります。

 

ですので、労働者本人から退職の意思が示されない限り、退職勧奨したからといって退職の手続きを進めたり、退職を前提として後任を採用したりする事は控えた方が良いでしょう。

 

実は僕も、過去に2回程退職勧奨を行った事があります。

 

いずれも僕は当事者ではなかったのですが、いつもそういう役回りばかりをさせられてました。

 

逆に言うと、退職勧奨という通知を出せる立場に居ながら、双方の話を聞くことができたのは良かったのかも知れません。

 

初めて退職勧奨を行ったケースでは、代表者自らが部下と揉めていました。内容を聞くとどっちもどっちな状況だったし、口論の末感情的なり、代表者が口を滑らせて「クビ」というキーワードも話の流れではちらほら出ていたので、退職勧奨というよりは極めてクビに近かった(寧ろあれはクビ)です。

 

それでも何とか体面を保とうとしたのか、「何とかならんか?」と代表者から相談を受けたので退職勧奨を提案したというのが最初の退職勧奨でした。

 

 

二回目は、逆パワハラとでも言いましょうか、新しく入社してきた40代(女性A)の福祉業界経験者が、30代の管理職(女性B)をいびり倒したというケースでした。

このAさんは、他の事業部の管理職であるC君が採用し、配置転換でBさんの部下となった訳ですが、女性同士特有の労働環境が醸成されていく中で問題となったいびりが起きました。

AさんはBさんに対し、「前の職場はこうだった」「前の職場の責任者の方が優秀だった」「前の職場の・・・」といったように、前の職場云々を持ち出してBさんを追い詰めたのです。

実際の所、Aさんはこれといった資格は保持しておらず、実務経験もBさんの方が長かったのですが、過去の経験と年齢を武器に逆パワ状態になりました。

 

Bさんから相談を受けた僕は、Aさんを呼んで話を聞きましたが、ここでも自分の方が優秀であるというアピールに終始する為、「あなたはウチには合わない」という事で、後日退職勧奨することになりました。

 

企業にとっての退職勧奨は、最終手段一歩手前と考えるべきで、乱発は控えるべきです。

 

しかし、秩序や統率を乱す行為は、組織の崩壊に繋がりかねませんので、これより手段はないと判断すれば、その時は当事者ともじっくり話を聞いたうえで判断するべきでしょう。

 

いずれにしても、採用は明るく、退職は暗いイメージです。

 

いつの時代になっても、採用と退職というワードにつきまとう悩みが無くなる事はないでしょう。

 

 

過去に先輩から頂いたアドバイスで「全くその通りだ」と思った事がありました。

 

先輩曰く 「法律は誰を守るか。それは法律を知っている人である。」

 

確かに、助成金であれ、法律であれ、知っている人や企業はそれを活用し守られます。

 

知らなければ、その制度による恩恵は受けられません。

 

僕も、改めて勉強し直そうと思います。